神高教シニア運動 交流集会                      
 第15回シニア運動交流会報告(現役とシニアをつなぐ集い)

一昔前、六十五歳を過ぎるとだいたいのシニアは、悠々自適の生活をおくるのが多かったように記憶しているが、今日はそういった状況ではない。まず年金支給が65歳になると65歳までは給料水準が低い再任用を受けるシニアが多くなった。また定年延長がはじまった今年、65歳で再任用を終えるシニアの多くが、臨任か非常勤講師(会計年度任用職員)を希望するようになり、今年の交流集会は、非常勤講師(会計年度任用職員)の問題に多くの時間をさくこととなった。

シニア代表、高教組委員長の挨拶のあとすぐに、お茶菓子とソフトドリンクを前に交流集会が開始された。開始早々、勤務の割り振り変更の「4週のハコ」の運用がきつくてなんとかならないかという疑問が出された。この割り振りは、非常勤講師(会計年度任用職員)の賃金保障のためにもうけられたもので、以前の夏季休業中の俸給なし、お正月、連休に伴う俸給減を防ぐために、もうけさせたものなのできついけど仕方がないという、担当執行部飯田副委員長からの答えがなされた。次に、学校によっては、成績処理に必要なパソコンの台数が少なくて、成績の処理のために勤務時間を超えた勤務が強いられている問題が提起された。この問題に関しても、高教組執行部は県教委に要求しているにもかかわらずいまだに改善されていない問題と答えがなされた。

 2校で勤務する場合の、問題も提起された。以前から務めている学校の場合は、年休等があるのに、新たな学校に勤務した場合、最低限しか年休がない状況が報告された。ボーナス支給などにおいては、合算されて支給されるのだから、年休も合算できないのかという問いかけに、執行部も検討を約束した。またコロナ以降の、在宅勤務について、学校差がりすぎる問題も提起され、各学校の管理職が共通の認識が求められている現状の報告がなされた。

 最後に、非常勤講師(会計年度任用職員)の採用の際の、健康診断の問題がだされた。続いて勤務している場合、無料で健康診断が受けられるのであるが、前年に勤務していないと、有料の健康診断を受けなければならない現状がなんとかならないかという要求がなされた。務めて半年以内には、健康診断があるのだから、採用前に義務化する必要はないのではという会場の問いかけに、執行部も対応する回答が得られた。
 非常勤講師(会計年度任用職員)の問題が、一段落したあと、豊島道子さんより自らの介護体験が報告された。実母を90歳〜97歳まで介護した報告は現実的であり、今後、介護に向かい合う人たちへの有効な助言となった。「介護は老化だけでなく、病気・骨折・認知症、降ってわいたように突然現実となるんです」ではじまった体験の報告は、準備して介護に臨んだ豊島さんでも困難に向かわされたとのこと。家で介護する困難性を確認された。会場からも介護体験の具体例が報告された。介護施設にお願いするのがベターな方策という報告が多かった。最後に、介護する側での立場で出席されているほとんどの出席者に介護される側の立場に立つ準備の必要性が指摘され交流会は終了した。
第14回 神高教シニア運動交流会(現役とシニアをつなぐ集い )

2023年1月21日、第14回神高教シニア運動交流集会が3年ぶりに開催され、新しくシニア運動に加入することになる人も含めて37人が参加しました。まず、神高教シニア運動代表の赤坂さんから、退職後も組合の世話になりながら年金、健康、介護などについて情報交換や話し合いをしましょうと話があり、続いて神高教執行委員長の佐藤さんからシニア運動の交流を通じて自分自身の生活をどう組み立てるのか考えてみてはいかがでしょうかとの挨拶がありました。

 年金額が実質目減りするなか、退職後の生活で最大の不安はお金のことではないのかということで、交流集会では最初に雇用保険(失業保険)のことを扱いました。定年退職後1年以上、再任用職員、臨時任用職員、週20時間以上非常勤職員として働き、離職前1年間に6か月以上雇用保険の被保険者であった65歳以上の人は、失業状態(週に20時間未満の労働をしている人も含む)になった場合、高年齢求職者給付(雇用保険)の受給資格が生じます(65歳未満の人は、離職前2年間に12か月以上雇用保険の被保険者であったことが条件になります)。受給資格の確認は、ハローワークで行いますが、実際に高年齢求職者給付を受給したシニア運動役員の永井さんからハローワークに持参しなければならない書類や注意事項などの説明がありました。なお、月に11日以上働かないと雇用保険の被保険者であった月数に算入されないので気をつけなければいけないという貴重なアドバイスもありました。また、高校教育会館事務局長の馬鳥さんは自身の体験も踏まえて医療保険の大切さを語りました。高校教育会館でもいい保険を扱っているとのことです。

 退職後はどんな生活が待っているのでしょうか。2名の方から貴重な話を伺いました。70歳を過ぎた現在でも非常勤講師を続けている木村さんは、現役時代は美術の教員で、非常勤講師になるとその収入で海外旅行に行き、安い出版社を見つけて、旅先でのスケッチなどを3冊の本にまとめて出版したそうです。当日、出版された本を拝見しましたが、旅先での水彩画のスケッチが印象的でした。養護教諭だった川島さんは、学校が窮屈に感じたことで学校現場を離れ、3年間、派遣会社で修学旅行の添乗、企業の健康診断などの仕事を体験。ここでも学校や労働現場のつらさを感じたそうです。ほめて育てるという教育方針の学校の修学旅行の夜の打ち合わせで、校長が教員を叱り飛ばしていたという笑えないエピソードも紹介していました。3年前からは中途障害者リハビリ施設で、中途障害者と一緒にモノづくりやスポーツを行っているそうです。その職場を選んだ最大の理由は、その職場が大好きな藤棚にあったことだとのことです。

 交流集会の最後は参加者からの発言。シニア運動の前代表だった三橋さんからはシニア運動の組織が大きく発展したことへの言及があり、シニア運動役員からは、シニア運動には国会前19日行動、東北復興の旅、ゴルフ・写真のサークル活動など多彩な活動があることが紹介されました。新たにシニア運動に加入する方からは、定年などの節目の会議では懐かしい人に会えるのでうれしい、退職後も組合に関りを持ちたいという発言がありました。また、75歳で、8月から再任用臨任になった方もいました。最後に、日退教会長の竹田さんからは、孤立化を防ぐためにもレクレーションを充実しましょうという提起がありました。
 第11回 神高教シニア運動交流会(現役とシニアをつなぐ集い)

 2019年11月16日(土)、第11回 神高教シニア運動交流会(現役とシニアをつなぐ集い)が行われ、26名のシニアと現役が参加しました。
 交流会は、神高教シニア運動副会長の早川さんのあいさつで始まり、神高教書記長の佐藤さんから、今国会が大学入試改革、教員の「変形労働時間制」など教育国会の様相を帯びていることの報告、今年度から日退協会長になった竹田さんから、日退協では福祉問題が大きなテーマであるとの挨拶がありました。
 シニア世代には、日々の生活、仕事、生活を支える収入、健康、介護など様々な課題がありますが、今回の交流会では、それらの課題の多くに関係する健康保険をテーマの一つにしました。現役は共済組合保険ですが、現役を退くと多くの人が協会健康保険、国民健康保険に加入します。交流会では、早川さんから「国民健康保険の保険料、高すぎませんか?」という報告がありました。国民健康保険料は、医療分・後期高齢者保険支援分・介護保険(40歳以上者)の合計で、市町村ごとに世帯毎の被保険者の合計所得をもとに被保険者の数に応じて決定されます。国民健康保険料は、概ね定率非累進制の所得割と一人当たり定額の均等割によって決定されますが、国民健康保険の国庫負担が減少するなか、私たちの納める保険料は年々引き上げられています。所得割は非累進制のため高所得者に有利であること、均等割は子どもから同じ額を負担させる人頭税のようなものであることなどの問題点も抱えています。国民皆保険という制度は守りつつも見直しすべき点が多々あるようです。
 最後に、参加者一人ひとりから退職後の生活についての情報交換が行われました。現役からは定年を前に、定年後どういう生活を選択するか迷っているという話もありました。一方、退職者からは再任用の生活、非常勤講師の生活のリアルな報告、また、退職後に様々な学校に通って新たに学びなおした話、新たな資格を取得した話、さらには、旅行などの趣味を満喫している楽しい話もありました。シニア運動の役員の山崎さんからは、退職後に、不登校の青年や職をもたない青年にパソコン教室を行っていたが、そろそろこうした活動を引き継いでくれる人がほしいという切実な声があったことも伝えておきたいと思います。
 

シニア運動交流会は、来年度以降も続きますが、シニア同士の交流を中心にするのか、シニアと現役の情報交換を中心にするかによって開催する時期も変わってくると思いますので、その点を検討し、今後、来年度の開催時期を決めていきたいと考えています。(西浜吉晴)
 第10回 神高教シニア運動交流会(現役とシニアをつなぐ集い)報告

2018年11月17日(土)午後2時より高校教育会館で開催された。

始めに代表の三橋さんより、晴天の土曜午後に足を運んで頂いたお礼と、現役の不安も出して欲しいし、シニアの話も聞ける集まりにしたい旨の挨拶。続いて来賓挨拶があり、組合執行委員長の馬鳥さんからは、県労連確定闘争の成果として、臨任の療休が3日から5日になったこと、再任用の賃金引き上げ3,200円を確保したことなどの報告。日退教事務局長の竹田さんからは、退職者全員が会員になるので催し物の特別割引があることや日退教通信の紹介、および厚生年金と雇用保険の関係などの説明があった。

 交流会は、事前に設定した二つのテーマを中心に進行。
 第一のテーマは「再任用者と雇用保険(失業保険)」。公務員は雇用保険に加入しないが、週20時間以上勤務する再任用者は雇用保険に加入する。したがって再任用を終えた後、所定の条件を満たし手続きを行えば受給できるとのこと。
 具体例として実際に雇用保険を受給した二人の方が体験談を披露された。退職後65歳まで4分の3再任用を勤め上げたAさんの場合、離職後ハローワークで手続きを行ったところ5月中旬に27万円の給付金が振り込まれたとのこと。また、退職後2分の1再任用を3年間行い、翌1年4分の3再任用、最後に2分の1再任用を務めて離職したBさんの場合、ハローワークでの手続きを経て、毎月2回の求職活動を行い、求職活動の中で週1時間の勤務(ハローワークで求職)を加えるなどをした結果、受給額の合計が62万円になったとのこと。シニア運動副代表の早川さんは、教員は雇用保険について無知だから勉強しようよ!という活動をしていると第一のテーマをまとめた。(詳細はhttp://www.khtu-senior.com 「早川レポート」参照)

 第二のテーマは「退職後の生活についての情報交換」。幹事からの要請に快く応じて下さった四人の方々が、退職後の生活をユーモアを交えて話された。
 2014年に退職された斎藤さんは、退職金の大幅減額、年金制度改革による受給減額、そのうえ退職後の住民税、健康保険が高額になるため1年目はフルタイム再任用を務めたが、かねてから考えていた建築の勉強がしたくて、2年目からは2分の1再任用に変わり、早稲田大学芸術学校(専門学校)に入学。午後4時に勤務を終えるように管理職と交渉し、週5日の通学。勉強は厳しかったが、学生気分を再び味わうことができ、2年間の通学でリフレッシュできたとのこと。

 フルタイム再任用を連続して務めている五十嵐さんは、来年65歳で気分はやっと退職。1年目は同じ学校なので、これまで関わってきた卒業生を見送る。フル任用の利点は通勤が近い職場に継続して務められ、発言権もあり、健康問題を抱えた他の再任と授業の振り替え(フォロー)もできる。ただし、担任の要請もあったが、断ることもできた。放課後は、生徒と一緒にバンド演奏も楽しんでいるとのこと。
 退職後すっかり離職された井上さんは、写真が趣味であったが、美術館に通ううちに日本画にも興味を持ち、武蔵野美大通信課程を受講。現在、日本画を勉強中。さらに車やバイクにも興味を持っていたことから、クラシックカーやバイクを新たに購入、そしてレースにも参加。また高価な筆の購入も続き、すっかり金遣いが荒くなったと自嘲された。地区の役員や大学の評議員もされ毎日が忙しいとのこと。

 青木さんは退職1年目、大好きなベイスターズ、将棋ざんまい。夏には北海道旅行と楽しんでいたところ、国会で安保法制が安倍政権によって強行されたことを知り、強い危機感を持った。特定秘密保護法、反原発、爆音訴訟など多くの集会に参加し、安倍政権の全体像が見えるようになり、政権打倒の活動を始めた。リックに付けた多数のタグや憲法98条、21条を抜き書きしたパネルを持ち歩く。裁判所や国会では、警備職員との機知に富む対応の話は会場の笑いを誘った。
 4人の発言が終わった後、会場からは定年延長制度、健康問題を抱える人の再任用雇用、65歳免許更新の問題など質問が上がり、馬鳥委員長から雇用の確認と他の問題は交渉中との回答があった。最後に事務局長の平山さんからシニア運動カンパのお願いがあり、現役9名を含む総勢36名参加の交流会は盛会のうち約2時間の幕を閉じた。
(2018.11.17   平形 裕史)
  2017年 11.18 第9回神高教シニア運動交流会を終えて

 現役とシニアをつなぐ集いとして開催されたこの交流会、年金の話や再任用者が受給できる雇用保険の話、そして退職後の生活に関する情報交換などをテーマに話し合 いが行われました。
 年金については、元神高教委員長(日退教事務局長)の竹田さんから、おもに年金制度改革に関して説明がありました。マクロ経済スライドの新ルール適用が始まる。2018年4月より、景気後退期に下げるはずだった年金の未調整分(キャリーオーバー)を、好景気のときに額面が前年度より下がらないという前提で調整する。さらに2021年4月より、たとえば物価が上がっても賃金が下がれば年金受給額も下げる。日本退職者連合は、孫やひ孫の年金水準の所得代替率5割を維持するために、「給付は名目では減らさない」という約束の下で柔軟な対応を取ることを決めたそうです。
 次に、週20時間以上1年間勤務した再任用者は雇用保険に加入しており、退職時にハローワークに「働く意思と能力」があり月2回以上の求職活動をする登録をして申請することで、失業給付金を退職金代わりとして受け取れる。ただし、65歳未満の退職者は失業給付金と年金の併給はない。こうした内容をシニア運動役員の早川さんと永井さんが、自らの体験をもとに報告しました。
 僕は、記録係に任命されていつになく交感神経を働かせ身構えたのですが、そもそも小学生のとき以来先生の話を授業中聞いていたことがなかったので、つい妄想の世界へと迷い込んでしまいました。――年金制度の持続可能性を高めても日銀は持続不可能な金融緩和政策をしている。日本経済はいつぶっ壊れたっておかしくないのだから、政府のエリート達は経済が破綻したとき年金をどうするか考えているはずだよなぁ。しかしまてよ、日本のエリートはリスクを見て見ぬふりして突っ走ってきたではないか。そうやってあの悲惨な戦争をやり、原子力発電所をメルトダウンさせ、東芝を倒産寸前に追いやったのだ。組織の論理と忖度にまみれた日本のエリートではムリかぁ−。それから、失業給付金の件は、義務については強制してくるのに、我々の権利については説明すらしないという行政のいつものやり口に怒りを感じる。と同時に、この給付は社会的再分配の公平性という点ではどうなのかという疑問も残る。この、カントのアンチノミーのような対立する命題を解決する弁証論は可能か。――とあれやこれや考えているうちに交流会が終わってしまった。もう書くことがありません。
 そこで交流会の在り方について、交流会が現役とシニアをつなぐ場になればよいと思い、僕なりに考えたこと述べて終わりにします。現役の方々の不安は、勿論金銭的な事もありますが、仕事から離れたとき何をよすがにして生きるかという点にあります。僕も現役の方々の参考になればと思い、席上自分の経験を紹介しようと思いましたが、さすがに「昼頃起きて、ごはんを食べて寝ます」なんて言って多くの方々を失望させてはいけないので黙りました。
 退職後どうしたら良いか、ほんとうに悩んでいる人はたくさんいると思います。特に今は、職場はどうにもならないぐらい忙しく、退職後どうするか、どんな手続きが必要か考える時間がなく、退職すると突然真空状態に追いやられます。シニア運動でこの真空状態を埋める手伝いができればと思います。まず退職時またその後の諸手続(失業給付金、税金、国民健康保険、年金その他)に関するマニュアル集を作成し説明する。また、この交流会を、さまざまな活動(政治的、社会的、文化的、etc)をしている人、個人で何か研究をしている人、何もしていない人、ちょっと変な事をしている人、とにかくいろいろな人が集う場にして、その活動について発表してもらう。さらに同好会を通してシニアどうしの交流をはかり、それぞれの活動を活性化していく。そうすれば、この交流会はきっと“ちみもうりょう”の世界、いや失礼、バフチンが言うところのカーニバルの様相を呈するでありましょう。バフチンはスターリンの弾圧にめげず、そして我々は安倍の弾圧にめげずポリフォニーを奏でるのであります。 (2017.11.18  松吉 俊治)
 退職予定者との第8回交流会の報告

 2016年11月19日(土)、この日の講師となった竹田邦明さんが日退教の事務局長をされている関係で手に入れた、沖縄の高江のドキュメンタリー映画が交流会の開始前に流された。「土人」発言で批判をあびている機動隊の乱暴な姿がリアルに描かれていて、非常に強い印象が残る映像であった。退職予定者8人を含む総勢25名の参加で、午後2時から三橋代表の挨拶で交流会は始まった。
基本報告の最初は、竹田さんの「年金制度はどうなる」というテーマであった。まず、今後の年金問題に関する政府の取り組みの説明があった。将来世代の給付水準確保のため、給付抑制と財源確保が必要とのこと。平均寿命の伸長に伴う給付の増大に備えて、社会保障と税の一体改革が行われた。この改革に伴って消費税の税率が上がったわけである。また、昨年の共済年金と厚生年金の一本化もこの流れの中で行われた。現在は「マクロ経済スライド調整率」が進行中であるが、これは少子高齢化という長期的な構造変化に対応し、年金水準を時間をかけて徐々に調整(低下)させることにより、年金制度の持続可能性を確保する世代間の分かち合いの仕組みのことである。この調整(低下)により、2004年から2024年の20年間に、現職時の60%の給付水準だったのが50%になる。この低下に拍車をかけるのが、国会で成立した年金カット法案である。竹田さんの年金の問題の解説の資料には日刊ゲンダイの記事が多く使われていた。
 次に、早川芳夫さんから再任用制度の報告があった。退職後の雇用にはフルタイム勤務と29時間勤務と19時間勤務の再任用と、退職臨任がある。退職臨任は神奈川独自措置である。再任用については形式的には毎年選考を繰り返す。賃金はフルタイムでも退職時の60%の給与であり、ほぼ同じ労働を強いられるのに賃金が半分程度なのは納得いかないという声が大きい。もともと再任用制度は年金の一部停止に伴う補助的制度として設計されているので、生活給という考えに立つ制度ではない。しかし「同一労働同一賃金」という原則から考えたら、まったくおかしなもので、根本的に制度改革が行われるべきと早川氏は強く主張された。また退職時に注意することとして、福利厚生振興会の給付事業と退職金の運用についてが挙げられた。後者は、投資信託と抱き合わせの一見高額な利率の定期預金にだまされないようにとの注意があった。その後シニアライフの紹介があり、シニア運動同好会の写真同好会とゴルフ同好会への参加呼びかけがあって、4時10分には散会した。(2016.11.19  石橋 功)

第7回 神高教シニア交流会報告

 2015年9月26日土曜日、毎年行われている交流会が実施されました。今回は、現職の本年度退職予定者の説明会が高教組主催で2日前の木曜日に開かれたため、同趣旨のこの会に現職の退職予定者の参加は残念ながら極めて少数でした。しかしシニアの生活に影響する共済年金と厚生年金の一元化の問題をじっくり聞くことができるいい機会で、30人程集まったシニアのかたがたも満足した会合でした。
会は、まずシニア運動の代表である三橋氏の挨拶からはじまりました。挨拶で、三橋氏はこの間の安保法案に対するシニア運動の取り組みを中心にシニア運動の概要を説明しました。また昨年3月の退職者のアンケート結果から、現役と同じ仕事を給料の半分でやっている割り切れなさを訴える声の多さも指摘しました。
次に、元高教組委員長で現在日本退職教員協議会(日退教)の竹田邦明氏から、「被用者年金一元化で私たちの年金は」というテーマでパワーポイントを使ったわかりやすい講話がありました。この中で2004年の改正(百年安心プラン)の概要の確認をしました。つまり@上限を固定した上での保険料の引き上げA基礎国庫負担の2分の1への引き上げB積立金の活用Cマクロ経済スライドの導入、これに基づき現在まで改正が行われているわけですが、この段階で示された労働者の平均賃金の50%をめざしたマクロ経済スライドが労働者平均賃金が下がることでこの間ほとんど機能してこなかったことが報告されました。今回の年金一元化で共済組合がなくなるわけでなく、年金実施の機関として存続すること、年金の支給額、開始年齢は変わらないことを踏まえた上でどこが変わるかの指摘がありました。一番の問題は、現在、月47万円を超えた場合だけ年金の支給停止(部分停止を含む)がされる65歳未満の基準が、月28万になることです。結果、現在の神奈川の再任用制度で最も経済的に有利だった4分の3再任用が、年金支給の部分停止を受けることでフルタイム再任用や退職者臨任を下回ること、2分の1再任用に近くなることです。現実的には退職者臨任とフルタイム再任用が増えている現状では、4分の3再任用が2分の1再任用に変わっていくだろうと予想されるわけです。
次第では、竹田氏の講話の前に行われる予定だった馬鳥委員長の挨拶が中央委員会の遅れで次に行われました。馬鳥氏からは、再任用の療養休暇が今まで10日だったのを4月以降90日取れるようにしたこと。再任用制度の中で他の公務員に比べて低い再任用教員の給与を他並にする交渉を行っているとの報告がされました。また安保闘争を財政的に保障していくために、一千万の臨時闘争資金の拠出を決めた議案が中央委員会で承認されたことも報告されました。
最後に再任用・臨任を含みシニアライフの報告を中心に交流が行われました。ここでは西湘の高橋(滋)さんから昨年臨任で今年はフルタイム再任用に変わった理由が、臨任の年休の少なさ(在職中の年休の繰り越しができない)だったことの発言。45歳で早期退職して沖縄ショップガジュマルをされている松崎さんからは、自営でやっていくことがいかに難しいことであるかの報告がありました。また中野渡シニア運動事務局長は有機農業をやって自分で食べる野菜は自分で作っているとのこと、健康を保つ秘訣は検診を受けないことといった貴重な実践例の報告がありました。再任用教員が時間割の関係で無理な勤務が強いられている事実の報告が複数なされ今後の課題となっていくことになろうと思います。 (2015.9.26  石橋)

第6回シニア運動交流会
炭焼き、介護、退職者臨任のシニアライフが語られる


 2014年9月27日(土)午後2時から4時半まで、第6回シニア運動交流会が開催された。午後4時半から神高教主催の退職予定者への再任用・退職者臨任に関する説明会があるため、30分ほど切り上げての交流会となった。退職予定者を10名程迎えて、総勢30数名の参加だった。シニア役員の赤坂耕志さんの司会で、三橋正俊代表の挨拶から始まった。用意されたテーマは「こだわりのシニアライフ」と「再任用・非常勤という働き方」の二つである。
 「こだわりのシニアライフ」では、会報23号の「シニアライフ」に登場した長島浩吉さんが「51歳2度目の人生」と題して、炭焼きの人生を語ってくれた。千葉県金谷の山林を退職前に購入して炭焼きを始めていたが、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故で何ら対策を取らない校長と県教委に憤慨して1年早く2012年3月に退職して、本格的に炭焼きを始めたという。まるで素人の長島さんを助けてくれたのが、かつて地元で炭焼き業をしていた老人だった。炭焼き窯をつくる作業、そして豊富にある木材を窯に入れて焼く作業など手取り足取り教えてくれたという。炭焼きで生計は立たないものの、原子力や化石燃料ではないエコエネルギーに希望をたくしている。
 次いでシニア役員の平瀬菊子さんが、福島の猪苗代の実家の一人暮らしの母親を介護してきた体験を語った。90歳に近い母親を4人の兄弟姉妹で福島へ通いながら交互に面倒を見てきたが、要支援2の状態になって昨年11月にご自身の家に近いマンションに来てもらうことにして、毎日母親の元に通って介護に手を尽くしたという。脳梗塞の症状が出てからは、施設に預かってもらいながらも通い続けていた。その母親が今年の8月に93歳で亡くなって、今はその後の様々な手続に追われているという。シニアの誰でもが抱えることになる親の介護問題について考えさせられた内容だった。
 「再任用・非常勤という働き方」では、シニア役員で長らく再任用で頑張ってこられた井関茂明さんが「再任用・定年退職者向け臨任制度について」と題する資料を用意して説明した。この交流会は10月から始まる意向調書の提出時期に合わせて、退職予定者が再任用に当たってどんな点に注意すべきかの相談に応じるために開催されてきた。今年度からは新たに退職者臨任制度が導入されたので、それを含めての説明がされた。再任用か臨任かで迷う方が多いと聞いている。ともに給料は激減するが、再任用は年休が引き継がれるが、臨任は年休は引き継引き継がれない。療養休暇は再任用は有給だが、臨任は無給である。しかし配偶者・扶養手当が再任用にはなく、臨任にはあるなどの違いについて説明があった。
 続いて2014年3月に退職して退職者臨任として西湘高校に勤務している高橋さんから、具体的な説明があった。1年生から3年生まで物理の授業を17時間持って、勤務は変わらないが、給料は激減している。給料は2級37号と大卒5年目の人と同額だったという。年休は9月までの8日間を取り切ってしまった。夏は職免5日、療休は取ってはいないものの無給である。10月から来年3月まで年休が10日あるが、繰越が少なくなるので、どうするか考えている。この半年の間、協会けんぽの健康保険料や住民税など高額の出費が相次いだ。このあと臨任、再任用をめぐって質疑が続いて、臨任をした人が再任用にはなれるが、再任用から臨任にはなれないなど情報交換が行われた。最後に代表から閉会の挨拶があり、予定通りに終了した。 (三橋)

 

退職予定者を交え、第5回シニア運動交流会

 

 第5回シニア運動交流会が2013年9月28() 、高校教育会館会議室で開催された。会員相互の意見交換の場であった交流集会が、前々回から現役を交えた交流会に発展して3回目である。来春の退職予定者、再任用で勤務している会員など約40名が赤坂耕志さんの司会のもと、活発な議論をおこなった。所用で欠席の地代所達也代表に代わり三橋正俊副代表の挨拶のあと、テーマ1「再任用・非常勤という働き方」、テーマ2「こだわりのシニアライフ」について話し合いを進めた。

 テーマ1については、再任用勤務の経験のある井関茂明さんより、再任用の採用までの流れや再任用について注意するところの説明がされた。来年度より年金支給開始が遅くなり、それに伴って定年制も延長される予定のところ、法案が成立していない現状では支給開始のみが遅くなる。今年度末退職者は自分の誕生月が来なければ年金がない状態になる。つまり無収入の期間が生じて、再任用を希望する者の増加が予想される。今のところ、現再任用制度が運用されると思われるがスケジュールが遅れていて、再任用を希望する場合、勤務形態を自分のライフスタイルに従ってしっかりと選択する必要がある。勤務形態については、38時間45分、29時間、19時間15分の3つの形態があること、県教委の示す勤務パターン例があるが、個々の生活や生き方により選択が求められること、そして校長面接の際、勤務形態、受け持つ教科科目等、確認し話し合う必要があることなどの説明があった。これに対し再任用経験者より、「2年目に40時間勤務をと校長に言われた。」「今後、県教委、校長は40時間の方向を強く進めるのではないか。」「40時間なら現任校に残れると思っている人が多いのではないか。」「採用結果は結局、新採用と同じで、将棋の駒だ。」などの話が出された。

 休憩時間後、神高教の西原書記次長の挨拶があった。シニア運動交流会の試みが他県の教組から称讃されていること、年金が出ないので40時間勤務が基本になること、行政職も再任用40時間勤務が導入されるので教育職との賃金格差解消の交渉中であること等の話があった。テーマ2のこだわりのシニアライフについては、時間が残り少なくなったので参加者の自己紹介をすることになったが、自治会の仕事、子どもの支援活動、ボランティアなどの社会活動、健康維持の運動など会員の様々な生き方が話され、現役の人達に一定の影響を与えたようだ。最後に、三橋副代表がシニア運動が実施した「退職一年後の感想」を聞いたアンケート結果の分析を説明して、まとめにかえた。2時間半の予定を30分近くオーバーした有意義な交流会であった。 (藤見)


4回交流会  ”現役とシニアをつなぐ集い”盛大に開かれる!!

2012年9月29日(土)午後2時から5時まで多数の参加者の下、第4回交流会が盛大に開かれました。
参加者44名(含む本部役員1名、シニア運動役員11名)の中には、今年度退職予定者、再雇用で勤務している人、特に務めを持っていない人、という構成である。
司会は赤坂さんの下、副代表の三橋さんからこの会の設立経緯や成果を含めた挨拶から始り、次に本部役員書記長の馬鳥さんからの挨拶があった。
内容は、退職手当交渉、退職手当削減法案の成否、定年制延長問題、再雇用の義務化、再雇用期間の年金支給割合の交渉、再雇用のルールづくり等と教員も50代が56%となり、また組合員も50%の維持が難しくなっている等の話であった。

テーマ1:再任用あれが不安、ここが不満
     〜希望申請書を出す前に〜

再雇用を4年間経験した井関さんから、申請書、診断書の提出から配属先や勤務時間数の内示、校長面接までの採用の流れ、3つの勤務形態と年金・保険との関係、授業時数や校務分掌、年休等再任用について具体的に注意するところを体験をもとに
説明された。また「再任用教職員・非常勤講師 賃金・権利手帳」が配布され、そこでの中身の詳しい説明はなかったが保存版として利用される。
今年度退職予定者から、今年度の所得を元にかかる市民税・県民税、健康保険や勤務時間と年金支給や掛け金などについて質問があり現在再任用をされている方から様々な回答があった。
定時制に再任用が多い、再任用でも重要なポストを占めているとか様々な思い等、現在再任用をされている方から多くの話が有った。

テーマ2:こだわりのシニアライフ
     〜ああしたい、こうしています〜

平瀬さんからは現在、務めは特にやっていないが地域活動や現在の生活について話され、山崎さんからはパソコン教室などの活動、保土ヶ谷区の要請を受け、生活保護家庭の教育支援活動の取り組み、またこの取り組みは他の地域にも拡大し、更にスタッフを必要としている等の話があった。
中野渡さんからは市民税・県民税、国民健康保険、介護保険の天引きの話、山際さんからは8月に行われた「福島の子支援リフレッシュプログラム活動―福島の子・こらっせ神奈川―」の代表者としての取り組みについて話された。
また、高額療養費制度と医療互助制度についての説明などもあった。

3回交流会   退職予定者交えて開かれる!!

 2011年1112日(土)、高校教育会館会議室で第3回神高教シニア運動交流会が、来春に退職を予定している方8名を含め総勢20名の参加で開かれた。

神高教シニア運動副代表・三橋さんの挨拶

 シニア運動の活動も5年を経過し、交流会も第3回を数える事になります。今回始めて現職の退職予定者をお迎えして、退職前の心配や不安の多い時期に何かアドバイスできないかとの思いから開催する事にいたしました。

神高教書記長・佐藤さん(来賓)の挨拶

 シニアの方々には、反原発集会・教研集会・憲法集会への参加など、現職の動きが鈍い中でも活発に活動され、ありがたく思っています。また、ライフプランセミナーでも協力いただいています。

 現在闘われている年末闘争では、55才超の職員の給与削減が狙われ、また「給与構造改革に伴う経過措置(いわゆる現給保障)の廃止という攻撃が行われています。

 高教組は、再任用者の特勤手当てが勤務の割り振りによっては切られてしまう実態への闘いなど、再任用者を含め臨任・非常勤職員の待遇改善に全力をあげて取り組んでいます。

日退教書記局次長・竹田さんの講演 “「社会保障と税の一体改革」で私達の生活は?
  年金改革の動向

  

 政府の「社会保障と税の一体改革案」が2011年630日に発表され、社会保障審議会・年金部会が年内取りまとめを目標に審議を開始している。2015年を目途とする内容なので当面の改革に過ぎず抜本的なものではない。しかし、様々な問題点があるので皆さんにも考えていただきたい。

配布した資料「社会保障改革の具体策、工程および費用試算」では社会保障制度の充実、重点化・効率化、工程が示され、2015年度には約27兆円程度必要となる事が説明され、その財源として5%の消費税増税が社会保障改革の安定財源確保のために必要と説明している。

主な具体策を拾ってみると

1.子供・子育ての分野では「総合的な子育て支援の充実の結果、女性の就業率や保育従業者の増加が見込める。

2.医療・介護の分野では、地域の実情に応じた医療・介護サービスの機能強化と称して診療報酬・介護報酬の体系的見直しをうたい、効率的・重点化のために平均的在院日数(入院日数)を減らす計画である。また、受診時に患者から定額負担(その都度100円)を取る事も明らかになっている。

3.年金分野では、いわゆるスウェーデン方式=所得比例年金に立脚して、最低保障年金を組み合わせて7万円以上の年金を受給できる制度を提案している。

   レジュメにあるように、現在は3人の現役が1人の年金生活者を支えている「騎馬線型」だが、55年には1人で1人を支える「肩車型」になってしまう。この状況の解決のために消費税が考えられている。

   また、すでに社会保障審議会・年金部会の審議は一巡目を終了し二巡目に入っているが、法案化の動きはほとんどつぶれている状況である。

   支給開始年齢の引き上げ、厚生年金と共済年金の一体化などは来年度は無理との政府発表がある。パート労働者の厚生年 金適用拡大も、企業側の反対が強く難しい状況。しかし、物価の下落に合わせ引き下げるべきだった給付額の減額はやろうとしている。また、財界の要望の強い労働力人口の増減などで年金支給額を調整する「マクロ経済スライド」については、すぐにまとまりそうもないが心配である。

  いずれにせよ、これまでは年金は減額されないものだったが、これからは減額される形にしたいことは明白である。

  最後に、総務省が出した高齢者世帯の生計費と基礎年金の給付水準(いわゆる平均モデル)と若い世代が年金をどのくらいもらえるかという財政再計算表を資料としてお配りした。とても当てにできるものではないが議論の参考にしていただきたい。

意見交流

テーマ T. 再任用・非常勤と言う働き方(退職予定者の人たちに伝えたい事)

再任用経験者・赤坂さん

初めて再任用の申し出をするまでに希望の働き方を十分に考えておいて、校長面接の時には何しろはっきり希望を伝える事が大切です。県教委は「選考する」という考えに立ち、将棋の駒のように私達をあつかっていると思います。たとえば、40時間働いて欲しいといったり、担任を持たせたり、内示が出て赴任先に行って始めて勤務内容がわかったりすることなどです。
新しい勤務先でも、しっかり授業内容の確認をしたり、持ち時間の希望も伝えましょう。もちろん人間関係が悪くならないよう気を使いながらですが。相手先に出向いたら既に持ち時間や持ち科目も決まってしまっていて、授業の準備やテスト採点など、とてつもなく苦労した話が結構あります。
退職前の時期はとてもあわただしく、早めの準備をお勧めします。身の回り品の整理と準備、財形・年金・健康保険などもろもろの整理や手続き、新しい勤務先までの交通費の確認、給与口座の準備など色々です。
いよいよ新任地に赴任したら、職場のルールや人間関係、地域の状況、教えた事のない授業、大変そうな子供達などなど、新しい体験を楽しみましょう。学期が進むにつれ、遠慮がちだった発言も本音が言えたり、職員会議でつい意見を言ったりするようにもなります。それにしても総括教諭制度、企画会議やグループ体制によって働きにくくなった事を実感します。
また、臨時任用や非常勤の人たちの不安定な立場(身分)から生まれる言いようのないストレスをわが身の事として判るようになりました。
私は20h勤務を選択してきたので自分のための時間を持つことが出来て、ある意味「自分のために働く」という本来の労働を楽しんでいます。

非常勤講師経験者・渡辺さん

学校行事(文化祭)にともなっての勤務の割り振りで困った経験をしました。文化祭が土曜・日曜と開催され、火・水曜が代休というケースでした。私自身の授業は火曜日の午前中です。
管理職は「ほとんどの人が火・水曜が学校全体の振替日なのだから、あなたも土・日曜に勤務すべきだ」というのです。しかし、当然個々人の都合もあるわけで、土・日に勤務する必要はなく、火曜に出勤すれば良いのが原則です。
私は、土・日に勤務せず、月曜の午後に勤務をしましたが、管理職から欠勤だと言われました。管理職は非常に不勉強です。各学校には“非常勤講師の皆さんへ”という県教委発行の文書が置いてあり、「もともとの時間割のところが勤務時間」とはっきり明示しています。管理職は間違いを認めました。
組合の“臨任・非常勤・再任用者の賃金・権利手帳”の.P14Q6にもその対応が示されているので是非読んでみて下さい。

参加者の意見交流
・20h勤務で、12hもの授業があてがわれてしまった場合、どんな対応ができますか。
・事前に自分の希望をしっかり伝えておくことが大切です。
・出来ること、出来ないことを伝えて、直せるものは直してもらうよう努めましょう。

・根本には、職場の忙しさやシステム上の問題があるので、組合としても対応してもらえればと思います。

・現役世代の問題もあると思われます。シニアと協力して解決の道筋を追求したいと考えています。

・専任の時には気づかなかったが、非常勤の働き方をみんなで理解していく必要がある。非正規職員が3割もいる現状の中で、臨任を長期に続ける人もいます。年休も少なく欠勤になりやすい。待遇改善の必要性はとても大きい。

・県の非常勤職員は任用1ヶ月経過後から年休が取れるよう改善できた。学校の非常勤講師についても、来年度から改善できる方向で闘っています。

テーマ U. それぞれのシニアライフ

・“年金だけで生活していけるのか?”ということがシニア運動の役員会でも話題になっています。皆さんの率直なご意見をお聞きしたいと思います。

・退職後、再任用などもせず年金だけで暮らしているが、生活費を10万くらいに抑え、残り5万位を様々な支出に当てている。毎月2万くらいの赤字が出ているので、退職金から補填している。旅行など一時的なものを含め1年に100万円くらい取り崩している。結論としては、年金だけでは生活できません!!

・来年退職の人は年金支給が16万円なので、とても生活は出来ないでしょう。全額22万円が支給され、自宅があり、ローンがないなら何とかやっていける。実際には、個人年金などをプラスして何とか生活できていると言うところではないですか。

・63歳。孫が次々に生まれ、まるで保育士のような生活をしています。年金だけなので旅行・外食はほとんど行けません。飢えることはないが、ほとんど余裕がありません。家のリフォームが必要になって家探しをした際、単身・女性・老齢者には民間はどこも貸してくれませんでした。

・共働きだったので、2人とも年金が支給されています。また非常勤での仕事もしているので、月に30万くらいは使えます。国内・海外とも旅行は結構行かれるので、皆さんの話には申し訳ないくらいです。やはり女性も働き続ける大切さを実感しています。健康にも恵まれ、老後は充実しているといえます。

・シニア運動についてご紹介したいと思います。退職6年目ですが、その後シニア運動が出来ました。また、校長も含めた退職者会という親睦団体もあります。

1. 高教組運動を支えることが目的の一つです。教研集会や様々な動員に協力しています。入会金は3000円(生涯)で高教組から出してもらっています。

2. 会報の発行やインターネットのホームページを作っています。

3. 総会、交流会を開催しています。話題は、年金だけで暮らしていけるのか、介護、病気など様々です。

4. 動員も割り当てがないし、非常勤講師は地方公務員法の縛りもないので、好きなときに好きな活動が出来ます。今後も、シニアは増えて、現役組合員は減る方向です。シニア運動の役員は70歳までです。

5. 上部団体は日退教(事務局次長は竹田さん)です。民間も含む神奈川シニア連合にも参加しています。

6. これからの運動の方向性として、“仲間の助け合い=介護や子育て”の協力関係が作れないか検討しています。
閉会後の懇談

・60歳は身体をいたわる年齢だと思います。退職の年に、心身共に苦しくなりました。退職後6年間、再任用もせず母親の介護で毎月帰郷するなど忙しく過ごしています。平均年齢70歳のバレーボールチームを率いてがんばっています。

第2回交流集会

■再雇用とシニアライフ ■

日  時:2010年11月6日(土)15:00〜17:00
場  所: 高校教育会館地下会議室

参加者 23名

三橋副代表の司会と執行部から佐藤副委員長の参加で始まり、参加者の自己紹介と現在の状況等を話され、「現役を退くとなかなか声が出なくなった」とか、「散歩の途中、畑の真ん中で声を出す練習をしている」などの話、あるいは年金だけで生活ができるかどうかなどざっくばらんな話に花が咲いた。
神高教シニア運動「第1回交流集会」

日時 09年11月7日(土)14時〜16時
場所 高校教育会館会議室
参加者 20名

 三橋副代表の司会で地代所代表の挨拶に続いて参加者全員の自己紹介から始まった。

【話題1】は「再任用、非常勤の雇用のあり方について」であった。再任用2年目で40時間勤務、学級担任もしている井関氏より「意向調書」提出から再任用決定までの手順について、自身の経験を踏まえて話があった。
<主な意見>
☆20時間勤務の給与が手取りで相当目減りしているのは、住民税が前年度所得で課税されているせいだと思われる。
☆非常勤職員が「忌引き」がとれない問題は、全庁的な問題として今までは門前払いであった。
☆非常勤職員は「特別休暇」という制度がないため「新型インフルエンザ」等で対処できない状況がある。
☆「年金一元化」の問題は29時間以下の勤務者には影響が出てくるのではないだろうか。
☆30時間勤務は待遇面で一番有利なので希望者が多いが、実際の現場ではフルタイム(40時間)が欲しいようだ。
☆短期雇用の労働者が民間で増加しているのと同様に教員にも再雇用や臨任、非常勤が増加している。特に定時制ではその比率が高い。定年後の再雇用についても、「短期雇用労働者の問題」としての視点がなければならない。
等々の意見が出された。

 神高教執行部の佐藤書記長が分会代表者会議を終えて途中から参加して、非常勤勤務の特別休暇について県労連闘争で「非常勤職員の忌引・療養休暇について国に準じて拡大したい」との回答を得ているとの話などをしながら最後まで討論に参加した。(*)

【話題2】は横山氏から、「ワーキングプア」の現状についての報告があった。「非正規労働者支援基金」がスタートしてから半年がたち、この間の裁判費用の貸付、生活保護申請同行サポートや破産処理支援・住居確保の支援などの活動報告、労働相談の現状、公務員労働現場の非正規労働者(官製ワーキングプア)の現状報告や今後、相談・支援活動の輪を広げていくために「労働・社会保障事例研究会」を開催していくとの報告があった。

(*)県との決着メモ(09.11.5)によると

 ・6ヶ月以上勤務している非常勤職員の忌引休暇については、2010年4月1日から常勤職員と同様に取り扱う。
 ・非常勤職員の療養休暇については、6ヶ月以上勤務している職員に拡大し、2010年4月1日から適用する。
 ・任用期間が6ヶ月以上の非常勤職員について、3日の範囲内で夏季職専免が取得できるものとし、2010年から実施する。
  となった。