「神高教シニア運動」で社会保障制度の確立を!

格差拡大社会に反対し、生活を守る運動を進めましょう

 派遣労働をはじめとする非正規雇用の劣悪な労働条件が大きな社会問題になっています。厚生労働省の1月30日の発表では昨年10月から3月までに124800人の非正規社員が職を失うとされていますが、製造業で働く派遣・業務請負労働者の失業が今年3月末までに40万人に達する見通しであることが業界団体で試算しています。この要因は労働者派遣法に由来しています。1986年に最初の 労働者派遣法が施行され、そのときは派遣を認める「専門的な業種」は秘書や添乗など13種でした。96年に対象業務が26に拡大し、99年に対象業務が製造業を除き原則自由化され〈さらに「規制緩和」のもとに2004年には製造業も解禁されました。これはまさに景気が悪くなって、人を切りたい、必要な時には部分的に雇える仕組みが欲しいという企業側・財界側の意向に沿うものでした。年末年始の大量の派遣切り・期間工切りがおこなわれる中で1231日より年越し派遣村が派遣村実行委員会によって作られました。村民499人、ボランティア1674名(登録した数)の状況はマスコミも大きく取り上げることになり、その力が参議院全会一致しての緊急決議を挙げるなどといった政治をも動かしました。
  一万、年金・医療・介護などの高齢者社会保障制度の劣悪さは高齢者に多大な痛みを与えています。今こそ私たちは格差拡大社会に反対し、生活を守るため運動を進める必要があります。  神高教シニア運動は、2006年5月27曰第1回定期大会を開催し、発足しました。その運動の目的を「この会は、神高教とともに会員相互の生活の安定を図り退職者にかかる諸問題の解決のため運動を進める。また、神高教運動の前進及び社会的公正の実現を目指す」としています。4年目を迎えようとしている神高教シニア運動は600名以上の会員になっています。これまで「後期高齢者医療制度反対」などの国会包囲行動など全国のシニア組織の仲間とともに取り組んできました。これからは退職者パワーをもって退職者および現役世代との共通した課題を追求し、全ての働く人々が安心して生活が送れるよう運動を進めてゆきます。格差拡大社会に反対し、生活を守るため運動を進めましょう。

 多くのカンパが寄せられました

―――――62名で合計で230,500円――――

神高教シニア運動から会員の皆様に「シニア運動運営費」「高校生平和大使派遣」及び「'47教育基本法」に関するカンパをお願いしましたところ、62名の方から合計で230,500円(09年2月末日現在)のカンパが寄せられました。それぞれ目的に沿って活用させていただきます。「シニア運動運営費」カンパ(101, 000円)は活動費として年度末の会計報告のなかで報告させていただきます。「高校生平和大使派遣」カンパ(74,000円は神高教の持つ「高校生平和大使派遣」会計に寄付します。「'47教育基本法」カンパ(55,500円)は曰退教「憲法理念の教育基本法の会」運動に送金します。これからもシニア運動前進のために努めますので、ご協力をお願いいたします。

 高校生平和大使

98年、長崎県の被爆2世の教職員らでつくる市民団体が始めた。 被爆60年の05年に初めて全国から募集、神奈川県の高校生が選ばれたのがきっかけとなり、06年から「神奈川枠」が設けられた。
  01年からは、核廃絶を願う署名を集め、平和大使が国連欧州本部に届ける「高校生1万人署名」の活動も始まり、05年には国内外から9万筆超が集まった。
                                                                     朝日新聞(09.1.21)より

 税務説明会が開催される

09年2月7日、神高教会館で08年3月退職者を対象に税務説明会が開催されました。  再雇用者も含めて年金受給者は確定申告が必要なため、神高教顧問税理士でもある細谷林造氏を 講師に確定申告害の作成にとりくみました。

 

日退教の活動から

五者合同会議学習会

08年1015曰に第14回五者(曰教組・全国退女教・曰退教・教職員共済生協・日本教職員相互共済会)合同学習会が開催されました。「安心して心豊かに暮らせる社会をめざして」と題する基調報告に続いて元日本テレビディレクター坂田信久さんの箱根駅伝テレビ中継の実現に向けた講演と山□雪子さんの「いま、環境をどう見るか」と題する講演がありました。

  

組織活動交流集会

08年10月18日、曰本退職者教職員協議会の第14回組織活動交流集会が開催されました。全体会での講演で嶺丼正也専修大学教授(教育総研所長)は教育基本法および教育3法改悪後の危険な状況を指摘しました。とりわけ、教員免許法や道徳重視の学習指導要領の右傾化の状況や全国学力テストに民間会社が介入してきている状況など、教育の民営化の危険性について訴えました。

 

憲法理念の教育基本法の会

47教育基本法の改悪を阻止する運動を展開しましたが、残年ながら06年12月に改悪は強行されました。その後、すでに教育三法改悪、教育再生会議や懇談会の報告、学習指導要領改訂など改悪教育が進行し、やがて憲法をも否定する状況になるといえます。
またすでに、憲法「改正」を進めようという国会議員たちは、超党派で議員団を作り審議促進を目指す動きもあります。 何よりも平和・人権・民主主義を尊重し、目本国憲法の理念を誇りに思う私たらは、在職中からその実現のために運動を進め、草の根から実践を重ねてきました。私たちの熱き思いを、国民の大きな流れとして持続し発展させ、‘47教育基本法の精神を忘れず、平和・人権・民主主義の曰本国憲法の理念を実現する教育として持続させるために、「憲法理念の教育基本法の会」を立ち上げることにしました。

 

会員からの発言

「再任用」という働き方を考えよう!

横山 滋(2004年・向の岡工業高校)

定年退職して5年が経った。再任用で2年間働いたが、今は年金のみが収入源の生活だ。
町会の民生委員や廃棄物減量指導員、区の区民会議や環境まちづくり推進委員などのボランティア、  NPOのグループホーム運営、労働相談などの「仕事」があり、趣味の農作業やバイクツーリングと出費も多い。
  昨年5月、シニア運動の一環で、曰退協(曰教組退職者協議会)などの後期高齢者医療制度廃止を求める集会・デモに何度か参加した。曰比谷公会堂を−杯にした参加者の熱気と共に「退職」が「働くことの終わり」ではなく、人生の「新しいステージ」であることを改めて感じた。「定年退職」で働く者の課題が終了するものではない。
  私にとって、「再任用」という働く期間は、矛盾に満ちたものだった。この制度がはじまった時、現役だった私たちにとって「二人で一人分の仕事を担当する」再任用者は、「中途半端な存在」だった。現場を知らない官僚が、頭数だけをそろえる発想の制度設計と思えた。授業の駒数を埋めれば、現場が動くわけではない。一人ひとりの生徒指導では、人間関係の継続性や信頼感が大きな要素になる。週20時間の勤務が2人いれば、1人分の仕事が出来るというのは机上の計算だ、と感じていた。そう思っていた私が、生活上の必要性から「再任用」で2年間働いた。再任用で働く側になって感じたことは、やはり「中途半端」な存在、というものだった。授業・実習、分掌業務や部活など、日々変化する多様な生徒との関わりや諸会議への参加などで、継続的な関わりが難しい。「所詮、再任用は補完的な仕事」しか期待されていない、のだと再三思い至らされた。
今、マスコミは「派遣切り」「非正規雇用の悲惨」な実態を連曰報道しているが、学校現場や公務員職場でも、「非正規雇用者」が広がっていることやその労働条件が悪いことは余り知られていない。政府・行政の「緊急雇用対策」も「頭数」の計算(それ自体の必要性は認めるのだが)だけで、労働条件の内容や働き方への言及はほとんどない。「非正規でも人間らしい生活、働き方」が出来ることが必要なのだ、という声を大きくした。
   学校現場で「再任用」で働いている人たちの思いや課題を率直に話し合い、問題点をまとめその解決策を模索することは、現在問われている「ワーキングシエア」や「非正規雇用のあり方」に深く関わることだ、と思う。

 

九条を守る神奈川教職員の会

田母神俊男航空幕僚長論文のように歴史をねじ曲げる動きがあります。そして海外派兵を目論む改憲の動きは根深いものがあります。平和憲法と総称される日本国憲法、とくにその中核となる第九条を守り、生かしてゆくことを共通の目的にし、専任・非専任を問わず神奈川の高校に勤務する人、もしくは勤務したことのある人を対象にした会です。会費を設けず、会員および有志のカンパで運営しています。

共同代表:中野渡強志・早川芳夫・藤原晃
春の学習会:3月21日(土)
        県民サポートセンター()
  第1部15時~1645分(405号室)
   「非正規雇用」労働者の現状と憲法25
講師 山口素明氏(フリーター全般労組副委員長)
第2部17時〜19時(304室)
  「非正規・派遣問題に対して組織労働者は何をすべきか」
(ビデオ上映と討論)
 <連絡先> 03−3308−7044(早川)

 
君が代不起立個人情報保護裁判

卒業式・入学式の君が代斉唱時に起立しなかった教職員の名を県教委が収集することに対して07年10月に県の諮問機関である県個人情報審査会は、その後08年1月個人情報保護審議会も「思想信条にかかわる氏名収集は NO!」と判断しました。
  しかし、県教委は氏名収集を続けています。そのため県立高校教職員有志18名が横浜地裁に提訴しました。
  第1回口頭弁論は3月9日に決まり、いよいよ裁判が始まります。
  支援する会では会員になってこの裁判を支援することを求めています。

 共同代表:高嶋 伸欣(琉球大学名誉教授)
         世取山洋介(新潟大学準教授)
 一般会員の会費は年2000
        口座番号:00280-5-115949
 口座名称:君が代不起立個人情報保護裁判を支援する会
 く連絡先>世話人事務局
        070−6649−7748(中野渡)

 

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「パソコン教室で地域に溶け込む」

――――憩いの場としてシニアに定着―――

渡 辺  顕(2004・横須賀工業高校)

  退職して再雇用となり、空いた曰をどのように過ごすか考えたが趣味も兼ねて週2日自宅のはなれでパソコン教室を行うことにした。我が家は約1000世帯の臨海団地というところにあるが、ここが開発された当時の初代の人は現在60代から80代であり、その人たちがターゲットである。町内会の役員会で趣旨を説明し文化部の主催にしてもらった。費用は消耗品費だけで殆どボランティアである。5名が1班で2曰問の午前と午後で同じことを4回繰り返している。(受講者20名)
  パソコンは予備も含めて6台を組み立て、  WindowsOfficeはOEM版(契約販売版)を利用したので市販の約半値で揃えられた。 内容はWordExcelからインターネットの利用、ホームページの作成、デジタル画像の編集や CD、DVDの作成等約7つ程度のテーマをローテーションで行っているが、ひとつのテーマが1日3時間で8回から9回程度であるからその辺の通り一遍のパソコン教室とは違うと思っている。時間をかけて丁寧におこなっているし、よく行われているパソコン教室の内容の他に合成写真を作ったり、インターネットを利用したテレビ電話、スキャナとOCRソフトの利用、動画に BGMやナレーションを入れてDVDにするなど幅広く取り上げている。
  その結果、現役で勤めていたころは3軒先の人は知らなかったが今や知り合いが大幅に増えた。もう20回を超えているので延べ400名以上が参加したことになる。
「自分たちの活動の広報誌ができたので見てください」、とか編集した写真をメールで送ってもらったり、年賀はがきや暑中見舞いなどを頂き、このようなことができるようになりましたと聞くと嬉しくなる。 また、電話で質問を受けたりすることも再三あり、インターネットが突然つながらなくなった、キーボードから数字が入力できなくなったなど対処方法を電話でやり取りしているわけだから大変ではある。  どうせ仕事上どうしても覚えなくてならない、などということばなく覚えても覚えなくともどちらでも良いのだから気楽なものだ。 実はこれは自分のためでもある。テキストを作る為には何冊かの本も読まなければならないし、教えるということはその数倍勉強しなければならないので自分が覚える為には最も手っ取り早い方法なのだ。  現役の時に地域に根ざした学校づくりとか地域とは何か、地域とはどの範囲をいうのかとか話題になったことがあるがあまりぴんとこなかった。友達で地元地域の町内会長になったとか民生委員になったとかという人もいるが、その人の話を聞くと今まで行政がやっていたことを最近はどんどん町内会に委譲していると聞く。 町内会の役割がどんどん高まっているといえる。
  この活動も4年を超え最近では希望者はすでに来てしまった感があり、2度目や3度目の人も多いが何度聞いても分からないということもあり、もう少し続けようかなと思っている。  また、小学生対象に「電子工作教室」を開催し、ICレコーダーやデジタル時計を組み立てた際は大変興味を示した子が多かったし、高校生よりも集中力があった。
  自分のできる範囲でいろいろな形で地域の活動に関わっていきたいものである。