シニア運動第16回定期総会

2020年度の活動を振り返って

 新型コロナウイルスの感染拡大で私たちの日常が大きく変わりました。32日からの突然の臨時休校、47日から7週間に及ぶ緊急事態宣言発令で外出自粛が続き、直接人と会う機会は激減して制約が多く不自由な生活が今も続いています。国難突破と言って選挙に勝ち続けた政権が実は本当の国難になすすべを持っていないことを多くの国民が知り、自粛でステイホームの間に政治に関心が向いた若い人がつぶやいた「#検察庁法改正案に抗議します」は瞬く間に1000万回以上リツイートされ、大きなうねりとなって法案取り下げ、黒川弘務東京高検検事長を辞任に追い込みました。ICTによる発信は、今後もますます広がって運動の形を変えていくかもしれません。生活を守るために政治に関心を持つ人が増えたことは苦境の中での小さな希望かもしれません。

安倍前首相は連続在任日数が歴代最長の2799日となった4日後、828日に突然辞任を表明し、78カ月に及んだ安倍政権が終わりました。憲法と民主主義を踏みにじり、国政を私物化して国民の中に貧困と格差を広げ、コロナ対策に迷走した末の辞任です。9月には菅首相が誕生しましたが、国会で国家ビジョンと哲学を尋ねられ、「自助、共助、公助、そして絆、縦割り解消」と答えたのには唖然としました。記者会見の場でも自分の言葉で国民に語ることができない姿からは、鉄壁のガースー、苦労人というマスコミが作ってきた虚像は砕け散りました。着任早々の学術会議の候補者任命拒否は前例踏襲と法令遵守の区別さえついておらず、全く総理大臣の器ではありません。一日も早く菅政権を終わらせ、立憲主義を取り戻すために力を合わせ運動を展開していきましょう。

1.     組織拡大・充実、組織体制の整備を目指す取り組み

2020年度には236名の新会員を迎えました。4月初旬に新型コロナウイルス感染拡大のため緊急事態宣言が発令された影響で定期総会の開催を見送り、書面で賛否確認をするなど大きな影響を受けました。会報については例年より2ヵ月ほど発行が遅れましたが、何とか3回発行することができ、総会返信ハガキ、メール等に寄せられた会員の声を「会員の今」として掲載したり、「シニアライフ」コーナーなどで会員の様々な活動を紹介しました。財政については、神高教からの支援金や会員のみなさまからの「高校生平和大使カンパ」「日退教連帯カンパ」や「シニア運動の運営カンパ」、神高教指示に基づく行動への参加補助などを活動費に充てています。厳しい状況は続いておりますが、今年度は昨年を大きく上回る533千円ものカンパをお寄せいただきました。心から感謝申し上げます。思うような活動ができず忸怩たる思いの1年ではありましたが、今後も工夫をしながら、会員のみなさまをつなぐ活動を継続していきたいと思います。

 
2.憲法改悪反対、安倍政権の退陣など神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取組み

(1)   憲法「改悪」に反対し、3000万署名活動など改憲阻止に向けた活動に参加しました。3の自民党定期大会で採択された2021年度の運動方針では「憲法改正原案の国会発議を目指す」と明記され、首相は国民投票法改正案について、「今国会で何らかの結論を得るとした与野党合意がある。成立を目指したい」と述べました。CM規制や最低投票率等の議論すべき重要な課題を放置したまま、憲法審査会での採決強行が懸念されます。また、コロナウイルスの感染終息が見通せない中、改憲より優先すべき国民生活に密着した課題は山積みです。国民投票法改正案の成立を急ぐ必要は全くありません。シニア運動は神高教とともに、「総がかり実行委員会19日行動・国会開会日行動」、「憲法フォーラム2020憲法を考える11.3県民集会」、「平和といのちと人権を!11.3大行動」、「戦争をさせないかながわの会12.9不戦の誓い学習会」に参加しました。引き続き憲法改悪阻止に向けた取り組み、世論に訴える取り組みが必要です。

(2)防衛省設置法に基づく「調査・研究」名目で20201月から行っている海上自衛隊の護衛1隻とP3C哨戒機2機の中東派遣について、1211日、政府は派遣期間を1年延長する閣議決定を行いました。自衛隊の中東派兵は即時停止すべきです。2021年度予算では、軍事費は53422億円に上り、当初予算ベースで9年連続の増額となりました。菅内閣は新型イージス艦2隻の新造を決め、新たな長距離巡行ミサイルの開発費も予算に計上されました。「敵基地攻撃能力の保有」がなし崩し的に進められています。戦争ができる国へと歩を進める諸法令の廃止に向けた運動、防衛予算の大幅増額に反対する運動を強化する必要があります。

(3)消費税が10%に引き上げられ、経済が落ち込んだところに新型コロナ感染が拡がり、緊急事態宣言や1年以上にわたる外出やイベントなどの自粛によって、飲食・観光・宿泊・運輸など多くの事業者に深刻な影響が出ました。20211月時点の完全失業者数197万人に、非正規雇用でシフトが5割以上減少・休業手当を受け取っていない、などの実質失業者を含めると約343万人が職を失っているという調査があります。損失補填や直接支援の制度もできましたが、あまりに遅く、少ない不十分なものです。一方で経済対策として、まだ感染を抑え込めていない7月にGOTOトラベルを開始し専門家の指摘にも関わらず漫然と継続して第3波に突入、深刻な病床逼迫を招きました。高齢者施設での感染は2波までの5倍、3月末までの新型コロナの死者9173人の8割にあたる7404人が11月以降に亡くなっています。対策の失敗は明らかです。

(4) 2019118日に野党議員から「桜を見る会」の私物化を追及されてから1年間、安倍前首相は国会で118回もの虚偽答弁を繰り返していたことが明らかになりました。河井元法相夫妻の選挙買収資金の原資となった自民党からの15千万円供与への関与についても説明されていません。安倍政権が退陣し、菅政権となっても独裁的で権力を私物化する政権運営は全く変わらず、人事で官僚をコントロールする運営は忖度を生み、総務省幹部が菅首相の長男が勤める「東北新社」から繰り返し接待を受ける等の問題が起こりました。NHKをはじめとするメディアへの恫喝やコントロールは、首相に厳しい質問をしたキャスターが降板するなど、より悪化しています。憲法と民主主義を踏みにじり、国政を私物化する政権には、総選挙で審判を下さなければなりません。

(5) 7割超の沖縄県民の反対を無視して菅政権が強行している辺野古新基地建設について、設計変更申請書では、埋立て用土砂の採取候補地が変更され、沖縄本島南部の糸満市や八重瀬町などが追加されています。「遺骨が眠る土砂を使うのは戦没者への冒涜だ」との批判が強まり、県庁前では遺骨収集ボランティアが土砂採取の断念を防衛省に求めるハンガーストライキを行いました。シニア運動は日退教、平和をつくり出す宗教者ネットの呼びかけに応じ、宗教者共同声明「戦没者の遺骨が含まれている土砂を辺野古新基地建設に使わせてはなりません」に賛同団体として加わりました。また、「止めよう新基地建設!辺野古裁判勝利!10.14学習集会」に参加しました。20207月より木更津駐屯地には陸自V22オスプレイ2機が「暫定」配備され、第2陣として陸揚げされた5機のうち4機までの配備が323日までに完了しています。また、20207月以降米軍ヘリが新宿・渋谷など繁華街上空を高度200m台で飛行する様子が十数回確認されています。日本の航空法に違反したきわめて危険な飛行が首都上空で常態化しています。シニア運動は神高教、平和フォーラム、神奈川平和運動センターとともに日米地位協定の抜本的改定、基地撤去などの運動に取り組みます。「原子力空母ロナルド・レーガンよこすか配備抗議!10.1神奈川集会」に参加しました。

(6)東京電力福島第一原発施設内の貯蔵タンク置場は、たまり続けるトリチウム汚染水で2022年夏にも満床になります。処分方法の決定期限は2020年末と言われていましたが、2021年以降の復興基本方針改定の閣議決定でも「適切なタイミングで結論を出す」と記すに留まりました。柏崎刈羽原発ではテロ対策に重大な不備があり、原子力規制委員会は324日、東電に原子炉内への搬入など核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決めました。規制委員会の追加検査で確認されるまで、同原発の再稼働はできません。209月の制御室への不正入室をはじめ失態が相次いで明らかになり、東電の原子力事業者としての資格・能力を疑問視する声が強まっています。
  「さようなら原発首都圏集会(9/18)」、「さようなら原発首都圏集会(3/27)」に参加しました。

 3.シニア・再任用者などの生活・高校教育を守る取り組み
(1)再任用者、非常勤職員など定年後の教職員が生活できる賃金の保障、労働条件の改善、安心して働ける環境整備に神高教とともに取り組んできました。20204月からは会計年度任用職員制度がスタートしました。特別職として任用されていた非常勤講師が一般職に移行したことで、勤務時間が明定され、給与支給が月額制の「当月払い」から実績をふまえた「翌月払い」となる、祝日にあたった勤務日の勤務時間は他日に割り振り変更するなどの変更点がありますが、週の勤務時間15.5時間以上など一定の条件を満たす場合には一時金の支給対象になりました。会計年度任用職員の制度運用については、今後も検証し待遇改善となるような取り組みが必要です。国家公務員の定年延長について通常国会に提案されています。定年引上げと連動して再任用給与水準の改善に取り組む必要があります。シニア運動では、「再任用者と雇用(失業)保険」についての資料を配付し、再任用を退職した時は忘れずに失業給付を申請するように呼びかけました。

(2)コロナ禍で例年行われていた高齢者集会は中止となりましたが、年金・介護・医療制度などの改善をめざして運動を進めることの重要性を確認しました。政府は75歳以上の医療費の窓口負担を所得によって1割から2割に引き上げる法案を提出しています。現行の1割負担でも高齢者の医療費自己負担額は現役世代の34倍です。2割負担導入で80歳以上は年36千円の負担増となるのに現役世代の負担軽減は1人あたり年間350円にしかなりません。2割負担で国民健康保険料の値上げが誘導される恐れもあると指摘されています。引き続き注視する必要があります。

(3)藤沢市、横浜市では、これまで9年にわたり現場の評価が低いにもかかわらず市立中学校の歴史・公民の教科書に侵略戦争を正当化する育鵬社の教科書が採択されてきましたが、2021年度から使用する教科書について、育鵬社教科書が不採択になりました。シニア運動は神高教とともに「神奈川の教科書・採択問題にとりくむ会」「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」の呼びかける現場教職員や保護者・市民の声が反映された教科書採択を求める署名にとりくみました。
神奈川の教育の諸課題についての解決に向けての取り組みでは、「高校教育会館2020年教育討論会11/14)」、「第63次教育研究集会(11/282912/6)」に参加しました。

(4)日退教の定期総会が隔年開催となったため、今年は612日に組織代表者会議が開催される予定でしたが、コロナ禍のため書面による組織代表者会議で活動方針が確認されました。例年10月に開催されている五者学習会、日退教組織活動交流集会も中止、東アジア海外研修(成都・重慶への旅)、日退教沖縄交流団、福島学習の旅も残念ながら実施できませんでした。日退教が呼びかけた「日退教連帯カンパ」には会員からのカンパ8万円を寄付し、7月豪雨災害被災会員支援カンパ1万円を寄付しました。県内の退職者労働組合で組織されている神奈川シニア連合定期総会も中止となりましたが、シニア連合が呼びかけた7月豪雨災害カンパに1万円を寄付しました。

4.若者・子ども支援の取り組み
   若者支援については、神高教が中心になり、2014年に立ち上げた「生徒・若者支援センター」にシニア運動も団体会員となり、様々な困難を抱えている生徒・若者に対して手厚い支援ができる環境づくりを目指して積極的に関わってきました。1031日に開催された、かながわ生徒・若者支援センター総会・「カフェ・サミット」に参加しました。「高校生平和大使」派遣運動への協力の取り組みについてはカンパを中心に取り組み、10万円を寄付しました。

 5.地方自治、市民活動を担う取り組み

 地方自治、市民運動を担う取り組みについては、労働相談ネットワーク運動に参加してきました。神奈川労働相談ネットワークは神高教、国労、自治労などの県内労組と労災職業病センター、神奈川ユニオン協議会などで構成されています。「県民のいのちとくらしを守る共同委員会(略称:いのくら)」の活動にも積極的に参加してきました。津久井やまゆり園で19人もの重度障害者の命が奪われた凄惨な事件を風化させないため、「『やまゆり』からいのちを問い続ける第4回横浜フォーラム」が1018日に開催されました。コロナ禍で開催が危ぶまれましたが、感染対策を万全にし、植松受刑者の裁判は何を明らかにしたのか考えました。シニア運動は神高教とともにこのフォーラムの実行委員会に参加しています。

 6.「シニア運動」活動交流を進める取り組み
(1)今年度はZOOM開催となった「神高教教育研究集会」、「高校教育会館教育討論会」「トブロツアー」などの神高教の運動に参加し、現役世代との交流を深めました。

(2)ホームページには平和・人権・民主主義を守る様々な行動の案内、再任用・非常勤職員の権利についての情報、年金・雇用保険の情報などを掲載してきました。積極的な利用を推進するために「掲示板」コーナーも開設しています。また、現職者を交えての交流会は130日に開催の予定で準備を進めてきましたが、感染拡大が続いていることを考慮して中止しました。役員が手伝いで加している神高教退職予定者説明会(1/30)はZOOM開催となり、税務説明会は開催を見送って、国税庁HPの確定申告書作成コーナーを利用するように呼びかけました。昨年に続いて、331に予定されていた神高教退職者パーティーは中止となりました。

(3)「女性役員」を増やす取り組みについては、集会等で直接人と会う機会が激減したこともあり、進展しませんでした。引き続き来年度に向けて努力をしていきます。また、研究会や同好会については、ゴルフ同好会と写真同好会が活動しており、ゴルフ大会の開催、神奈川県内各地での写真撮影会などを行って交流を深めています。今後の発展と新しい会の設立が期待されます。




 

2020年度決算

収入
項目 予算 決算 備考
繰越金 243,819 243,819
神高教よりの支援金 1,100,000 1,180,000 236名 @5,000
会員負担金(カンパ) 300,000 533,000 日退教カンパ・高校生平和大使カンパ・ 
シニア運動カンパ 
上部団体等からの返戻金 800,000 215,800 日退教より   53,800
神高教より  162,000
広告・事務経費 0 10,000 教職員相互共済
その他 30,000 1,505 冊子販売  1,500 
利息 5                    
合計 2,473,819 2,184,124

支出
項目 予算 決算 備考
活動費 1,100,000 725,584
封筒・ハガキ   33,128
会報等送料  380,856  
会報印刷代  228,600 
総会・交流会        0
図書カード    83,000
上部団体要請行動補助  0


             
事務局費 800,000 430,670 事務局旅費・行動費、ホームぺージ管理            
分担金 140,000 127,612
日退教 96,460  
日退教関東ブロック    0
神奈川シニア連合 15,000
いのくら 3,000
かながわ生徒若者支援センター 10,152
やまゆりフォーラム実行委員会 3,000
他団体・運動カンパ 300,000 211,362 高校生平和大使  100,000
日退教連帯カンパ  80,550
福島こども・こらっせ神奈川  0
福島の子どもたちともに川崎市民の会   0
福島の子どもたちとともに西湘の会 10,152
豪雨災害被災会員カンパ 20,660
その他 15,000 18,713 振り込み手数料  18,713 
予備費 118,819 670,183 次年度へ繰り越し
合計 2,473,819 2,184,124
監査報告、 通帳および会計書類を監査した結果間違いありません。
2021.4.16
会計監査

2021年度予算
収入
項目 前年度決算 21年度 備考
前年度から繰り越し 243,819 670,183
神高教よりの支援金 1,180,000 1,060,000 212人@5,000
会員負担金(カンパ) 533,000 350,000
上部団体等からの返戻金 215,800 400,000 日退教・神高教からの行動補助
広告・事務手数料 10,000 0
その他 1,505 30,000 利息等
合計 2,184,124 2,510,183
支出
項目 前年度決算 21年度 備考
活動費 725,584 1,100,000 封筒、 会報等送料、会報印刷代、
総会・交流会、図書カード等
事務局費 430,670 800,000 事務局旅費・行動費、ホームページ管理 
分担金 127,612 140,000 日退教、日退教関ブロ、
神奈川シニア連合 、生徒若者支援その他
他団体・運動カンパ 211,362 300,000 高校生平和大使派遣補助等
その他 18,713 20,000 振込手数料 事務用品等
予備費 670,183 150,183
合計 2,184,124 2,510,183



 

2021年度運動方針

1.組織拡大・充実、組織体制の整備・財政の確立をめざす取り組み

(1)既退職者への加入の働きかけを行う。

(2)女性が参加しやすい組織運営のあり方を検討し女性役員を増やす努力をする。

(3)会報の定期発行など教宣活動に取り組み、コロナ禍での活動のあり方、情報の共有化を進める方策について検討する。

(4)組織運動強化のため、神高教との連携を強化し、財政体制の確立をはかる。

組織運営や日退教などの要請カンパの資金をまかなうため、会員からの任意カンパ活動

を行う。

(5)定年延長への対応についての組織的整理・検討を進める。

 

2.憲法改悪反対、菅政権の退陣など神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取り組み
(1)憲法九条への「自衛隊」明記、新型コロナ禍を利用しての緊急事態条項の新設など、自民党が進めている憲法「改悪」に反対し、改憲阻止に向けた諸活動に積極的に参 加する。憲法審査会で強行しようとしている「国民投票法」に反対する。

中国や北朝鮮、さらには韓国との関係を悪化させ、国民の不安と危機感を煽る施策に反対し従軍慰安婦・強制労働・徴用工問題は当該被害者救済を基本に連帯し近隣諸国との友好関係を進め、東アジアの非核化・平和実現に向けた取り組みを支持する。

(2)安倍・菅政権が進めてきた「戦争ができる国」へと歩を進めるための諸法令、「テロ等準備罪法」(共謀罪法)、「平和安全保障関連法」(戦争法)、「特定秘密保護法」などの廃止に向けた運動に取り組む。菅首相による、学問の自由への不当な介入である、6名の日本学術会議委員の任命拒否の撤回を求める。

また、自公内閣の下で進められている防衛予算の大幅増額に反対する。南西諸島へのミサイル基地建設、新型イージス艦配備、「敵基地攻撃論」など東アジアに軍事的緊張をもたらす政策に反対する。

(3)中国政府による香港の民主勢力に対する弾圧など人権侵害に反対する。またミャンマーの軍事クーデターに反対し、アウン・サン・スー・チー氏の即時釈放を求める。軍による市民虐殺を批判し、日本政府によるODAや日本企業の軍事政権への支援を許さない取り組みを進める。

(4)消費税の10%ヘの増税によりもたらされた消費者の苦しみを解決するため、消費税の引き下げを含めた対策を求める。併せて、法人税増税、キャピタルゲイン課税・累進税率引き上げ、タックスヘイブン禁止など大企業・金持ち優遇税制の改革を求める。

新型コロナ対策の経済対策については、弱者救済貧困対策、非正規労働者失業対策、格差拡大を許さない対応などを求め取り組む。特に、最低賃金の大幅引き上げを求める。

(5)本年中に行われる総選挙において、野党統一で自公政権打倒をめざす取り組みを支援する。森友学園・加計学園問題、安倍前首相による桜を見る会疑惑、現職大臣による公職選挙法違反事件、総務省接待疑惑と菅総理長男の関与などに象徴される、自公政権の腐敗体質と権力の私物化を許さないため、菅総理の退陣を求める。

財務省の公的記録改竄や、自衛隊海外派遣日報隠しなど、自公政権の国民の知る権利の否定、シビリアンコントロールの否定を許さない取り組みを進める。

また、NHKなどマスメディアへの権力による恫喝やコントロールを許さない取り組みを進める。国民のプライバシーを侵害する恐れのあるデジタル庁設置法や、コロナ禍を利用してのマイナンバー強制に反対する。

新型コロナ感染症の世界的蔓延の中での東京オリンピック・パラリンピックの強行開催に反対し、オリ・パラの国威発揚など政治利用に反対する。

(6)沖縄・辺野古新基地をつくらせない闘い、高江ヘリパット建設反対の闘いに沖縄の仲間とともに取り組む。また、辺野古新基地埋め立て地の軟弱地層を無視した埋め立てに反対する。とりわけ、南部激戦地での土砂採取計画を許さない闘いに連帯して取り組む。横田基地へのオスプレイ配備・訓練実施に反対し、日米地位協定の改定・廃止に向けた諸活動を進める。

(7)原発廃止に向けた取り組みを強め、原発の再稼働・輸出を許さず、脱原発社会を実現するために様々な運動を展開する。野党各党が共同提案した「原発ゼロ基本法案」の成立に向けた取り組みを支持する。CO2排出を増やす石炭火力発電所の新増設に反対する。

     また、福島県民を強制的に帰還させる政策に反対する。とりわけ、自主避難者に対する住宅支援の再支給を求める。トリチウムを含む原発汚染廃水の海洋放出、放射性廃土の再利用方針に反対する。

(8)核兵器廃絶に向けた取り組みを進める。日本政府の核兵器禁止条約批准に向けて取り組む。すべての核兵器保有国による、核兵器先制不使用宣言を求める。

 

3.シニア・再任用者などの生活・高校教育を守る取り組み

 (1)再任用者・非常勤職員など、定年後の教職員が生活できる賃金の保障、労働条件の改善、安心して働ける環境整備に神高教とともに取り組む。特に、劣悪な教育職2級再任用賃金の改善、一時金の増額、任用時間の別なく希望に基づく現任校雇用の継続等労働条件改善に向けて取り組む。行政職再任用賃金を5級へ戻すことを求める。

民間の再雇用者と同様に、退職時の賃金の75%を保障する制度作りを求める。また、高度プロフェッショナル制度、月100時間の残業容認など過労死を誘発する労働法制の改善を求めるとともに、教員の長時間労働の是正につながらない変形労働時間制の導入に反対する。雇用保険を正しく理解するための説明会の実施を求める。    シニア会員の非常勤・臨時任用職員の雇用条件については、神高教非常勤専門委員会とともに取り組みを進める。

)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取り組む。
   老後に安心して生活できる年金制度の創設を要求するとともに、公的年金控除・老年者控除の復元を求める。  医療保険制度、介護保険制度の改悪を許さない取り組みを進める。とくに、非正規労働者・年金生活者に大きな負担となっている国民健康保険料、介護保険料の問題点の学習を進める。

 )教育制度改革の名目で進められている、教育の国家支配・統制に反対する。

教科書選定の民主化に向け取り組みを進める。道徳観の押しつけにつながる教科道徳の問題点を明らかにする。また、高校「社会科」の新科目「公共」「歴史総合」などの多くの問題点を明らかにする。
神高教と連携して、教育は国民の権利であることを基本に、国家による教育支配に反対し、主権者教育・平和教育・人権尊重を推進する。「教育勅語」の教材化や自公政権の戦前回帰教育に反対する。権力による教育への介入を許さない取り組みを進める。朝鮮学園への補助金打ち切りなど子ども達を差別する政策に反対し、速やかな支援の回復を求めて取り組む。

(4)コロナ対策については、医療機関、保健所の拡充、機能強化によって、検査体制、治療体制の整備、拡充を求める。ワクチン接種については、希望しない者への強制にならないように進めることを求める。

日退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)・日退教関東ブロックなどとともに退職後の生活・労働問題などの諸課題解決に向け取り組むとともに、活動交流に積極的に参加する。

4.若者・子ども支援の取り組み

若者の運動を支援するため、「生徒・若者支援センター」の取り組みに積極的に参加する。また「高校生平和大使」の運動に協力する。

若者・子どもの貧困克服の活動に積極的に取り組む。特に、若者を苦しめている有利子奨学金制度を廃止し、公的な給付型奨学金制度の創設に向けた取り組みや、大学までの授業料無償化に向けた取り組みを進める。

  菅政権による選挙目当ての「子ども庁設置」構想の問題点を明らかにする。また、18,19歳の少年犯罪への厳罰化と、立ち直りを阻害する少年法改正案に反対する。

5.地方自治、市民運動を担う取り組み
「労働相談ネットワーク」の活動に参加するとともに、ボランティア組織を紹介する。また、市民団体・生協・労働組合が集まり、生活者の立場から、地域社会の在り方を問い続けている「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会(略称:いのくら)」の活動に参加する。川崎市のヘイトスピーチ禁止条例を支持し、県レベルでの制定を求める。ヘイトクライムを根絶する取り組みを進める。山下埠頭に計画されている横浜IRカジノ計画に反対し、中止を求める市民の運動と連帯する。

6.「シニア運動」活動交流を進める取り組み
(1)神高教運動への支援活動に積極的に参加し、現役世代との交流を深める。

(2)ホームぺージの活用や各種交流会を開催し、会員同士の交流を深める。
(3)運動の活性化に向けて、研究会や同好会の新規開設をめざす。

 
   

神高教シニア運動第16回定期総会宣言に代えて

   2年に及ぶ新型コロナ禍の中で、私達は昨年に引き続き定期総会を開催することが出来ませんでした。会員の皆様には、経過報告、運動方針、予算決算、予算案を送付した書面にてご検討いただくという変則的な形となってしまったことは残念でした。

 会員の方々から運動方針等への修正・補強意見をいただきました。また、多くの方々から近況報告や、励ましをいただきました。役員一同感謝申し上げます。

  新型コロナ禍は一向に収まらず、第5波の感染拡大の中で、712日東京(4度目)と沖縄に緊急事態宣言を発出し、8月には多くの県に拡大せざるを得ないほど感染が拡大しています。IOCと日本政府・東京都は、開催都市がそんな状況の中でも、1年延期した東京オリンピック・パラリンピックの開催を強行しました。競技場は無観客としましたが、このような主催者の姿勢は、国民の命や安全よりも、地に落ちた菅政権の浮揚と五輪利権を優先させたと言わざるを得ません。

 東京五輪の開催費用は、当初7300億円余とされていましたが、現在では開催費用が約3兆円以上にも膨れ上がっています。この巨大な利権が開催強行につながったのでしょう。そもそも、東京五輪は招致の段階から、賄賂で開催を勝ち取ったもので、復興五輪とか、原発事故は「アンダーコントロール」にあるとか、「日本の夏は温暖な気候」など、賄賂と嘘で塗り固められた「五輪」と言わざるをえません。

 安倍前首相は、昨年8月末に総理大臣として歴代最長を記録すると、持病の悪化を口実に政権を投げ出しました。これも、政権の守護神と言われた黒川検事長の検事総長への就任工作に失敗したからとも言われています。このように、安倍政権は、「モリ・カケ・桜問題」など安倍総理の身内びいきの腐敗構造の「膿」がたまりにたまった結果として政権を投げ出したのです。そして、財務省は、安倍夫妻を守るために公文書改竄を強要され、自殺に追い込まれた赤木俊夫さんの「赤木ファイル」を出し渋り、半年後に裁判所の命令によって提出したものの、死者に鞭打つような対応をしています。

  安倍政権を継いだ菅総理が最初にやったことは、日本学術会議の6名の会員の任命拒否でした。この暴挙は、戦前の滝川事件を彷彿とさせる学問の自由への侵害行為です。そして、学術会議からの抗議にも、拒否理由の開示要求にもまったく応えようとしていません。6名の任命拒否を進言したのは、公安畑出身の杉田官房副長官であることが明らかにされています。まさに公安支配内閣と言うことが出来ます。

 安倍内閣による検察支配の思惑は失敗しましたが、検察自体の問題は残っています。検察は、黒川検事長の麻雀賭博を不起訴としました。この不当な対応に対し、シニア運動の仲間を含む市民団体が、東京地検に起訴するよう告発し、検察は再度不起訴としましたが、検察審査会が黒川氏を「起訴相当」とした結果、略式起訴とせざるを得ませんでした。

 自公政府の身内びいきの政治は止むことを知りません。菅首相の長男が勤める東北新社による、電波行政を担う総務省幹部への過剰接待問題が起こりました。この問題は、自民党内閣による属人的政治支配が露わになったものです。さらに、総務省幹部による認可企業であるNTTからの過剰接待も明らかになりました。これら接待を歴代の総務大臣も受けていた事まで明らかになっています。これらも市民団体によって、東京地検に贈収賄事件として告発されています。

 改憲に前のめりだった安倍前首相同様、菅首相も改憲を積極的に進めようとしています。菅首相は憲法記念日の改憲派の集会にビデオメッセージを送り、改憲への強い意欲を示した上で、国民投票法改正案を強行成立させました。このことは、内閣総理大臣の憲法遵守義務を定めた憲法99条に違反する行為で看過できません。

 自民党は、日本がアメリカとともに戦争が出来るように、九条に自衛隊の存在を明記する、緊急事態条項を新設する、ことに的を絞って改憲論議を進めようとしています。特に問題なのは、新型コロナパンデミックを利用して緊急事態条項を新設しようとしていることです。自民党幹部の下村博文氏、元衆議院議長の伊吹文明氏らは、新型コロナの感染拡大が起こる前の20201月に「新型コロナ感染症は、緊急事態条項新設の議論の進展と改正の実験台となる」との発言をしており、現在でもそのような発言を繰り返しています。

 台湾を巡って米中の対立が激化する中、バイデン大統領が就任後最初に会う首脳として大喜びでアメリカへ出かけていった菅首相は、共同声明に「台湾海峡の重要性」を入れました。さらに、G7でも台湾海峡問題を共同声明に含められたのです。この状況で麻生副総理は、「台湾有事は日本の存立危機事態であり、集団的自衛権行使の対象となりうる」と踏み込んだ発言を行い、さらに2021防衛白書に「台湾の安定は我が国の安全保障にとって重要」と記載したことで、中国からの強い反発を招いています。また、菅首相は、8月15日の国の戦没者慰霊祭で「積極的平和主義」を表明しました。

 沖縄本島を中心とする南西諸島の軍事基地強化は、この東アジアの危機的状況をさらに煽っています。その中心に辺野古新基地建設があることは言うまでもありません。沖縄県民の意思を無視しての無謀な埋め立てや、南部戦跡の遺骨の混じる土砂を使って埋め立てを強行しようとする日本政府の姿勢の背景には、現実の「戦争準備」があります。私達は、この自公政府の戦争政策にストップをかけなければなりません。

 ミャンマー軍部は、クーデタによってアウン・サン・スー・チー氏と大統領を逮捕し、国民への暴力的支配を強めています。これまで、日本政府と日本企業は軍部と密接な関係を持っていました。政府は、ミャンマーに民主主義を取り戻すために日本が果たしうる役割を考えるべきです。

 アメリカが9・11同時多発テロを口実に侵攻したアフガンからの撤退を決めたことで、アフガンはタリバンが再び支配しました。アメリカは、この侵攻で200兆円を費やし、日本も約8000億円を支援してきました。しかし、これらの支援の多くが腐敗した政権幹部の懐に入ったとも言われています。本当の支援は、故中村哲氏のような、非軍事、民生のための支援であり、氏が日本の国会で「自衛隊の派遣は有害無益」と述べると、自民党議員はヤジを飛ばし馬鹿にしたのでした。今回のアメリカの撤退とタリバンの支配樹立は、中村氏の行為が正しかったことを示しています。

 コロナ禍と五輪狂想曲で、国民の目、メディアの目が逸らされている中、国民の人権を制限し不利益を与える悪法が、十分な審議もなく強行成立されました。デジタル庁設置関連法、重要土地利用規制法、少年法改正、後期高齢者の医療費自己負担倍増などです。

 デジタル関連法は、個人情報をマイナンバーと紐付けることを可能とし、個人の預貯金や、思想信条やプライバシーなどが行政に把握される可能性があります。これをコロナ禍でのスムーズな給付金の支給や、ワクチン接種などを口実に成立させたのです。

 重要土地利用規制法は、軍事施設や国境地域での周囲1㎞地域の個人の土地を利用規制したり、監視することを可能とする法律ですが、重要施設に何が含まれるかは国の裁量権にかかっていて、戦前の軍機保護法を彷彿とさせるものです。しかも、「軍事」施設と言っても、大きな基地ばかりでなく、様々な施設が存在します。その周辺の土地の個人の財産権を制約する法律は、戦争準備のための法律と言わざるを得ません。

 少年法改正は、1819歳の少年を特定少年として少年法の保護から外して厳罰化を進めるもので、少年法が少年の立ち直りを図るために制定されているのに対し、その機会を奪うものです。そもそも近年、少年事件は極めて減少し、再犯率も低くなっています。

 後期高齢者の医療費負担2割への引き上げの強行も、「世代間負担の公平性」をその目的としていますが、実際には若い世代の保険料負担はほとんど減りません。このように立法事実がない、もしくは立法の必要性をごまかして、国民に不利益を与える法律を、コロナ禍と五輪報道に隠れて成立させてしまったのです。

 重要法案で唯一成立しなかったのは入管法改正案です。この法案は、不法滞在者とされた者が、三回難民申請が却下されると強制送還するというもので、日本では認められるのは極めて少数であることから、多くの難民申請者、支援者から批判が高まっていました。このような中で、名古屋入管施設に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが、入管職員の非人道的対応により死亡する事件が起こりました。そのため、日本の入管法への批判が高まり、法案を取り下げざるを得なかったのです。しかし、その後のウィシュマさんの死の真相究明への法務省の対応には、内外の批判が高まっています。

 教育面では、小学校の35人学級が実現しました。また、文科省は、教員の免許更新制度の「発展的解消」を決定しました。そもそも、永久免許として付与された各種教員免許が、現職教員まで更新制度を導入したこと自体、免許制度の根幹を揺るがすものです。教員の免許更新制は、自民党政権による教育の支配統制の強化のため以外の何物でもありません。しかし、この制度のために、退職者や教職に就いていない者が更新しなかったり、更新ミスなどにより失職する者さえ多数出ています。この更新制によって、現場での教員不足や教員志望者の減少などの事態を生じさせています。直ちに教員免許更新制度を廃止することは当然のことです。

 「アンダーコントロール」にあるはずの福島第1原発は、事故の収束の目処はまったく立っていません。トリチウムや放射性物質を含む冷却汚染水は原発敷地内のタンクに貯められていますが、政府はこの汚染水の海洋放出を決定しました。これに対し、漁民などからの強い反対の声や、諸外国からの批判が高まっています。

 また、菅内閣はCO2削減の主要な方策として、原子力発電所の新増設、再稼働を決めています。そして、40年を超える老朽原発の再稼働を認める判決も出されています。自民党は60年を超えての稼働さえも言い出しています。しかし、CO2を放出しないと言われる原発は、巨大な施設設備や燃料製造、遠距離送電など総合的エネルギー収支では、決して脱炭素発電では無いし、地震の多発地帯である日本では原発は極めて危険な施設と言わざるを得ません。日本原電は、敦賀原発2号炉直下の活断層のボーリング資料さえも書き換えています。何としても、原発ゼロに向けた運動の強化が急務です。

 菅内閣は、新型コロナ対策では繰り返される緊急事態宣言だけで、有効な対策を取ることが出来ずにいます。首都圏では、コロナ病床の逼迫によって、入院も出来ず自宅待機(放置)状態で死亡する例が後を絶ちません。コロナ禍の1年半での医療対策は、「無策」という言葉でしか表せません。政府の蔓延防止対策も、外出自粛と飲食店への営業自粛要請のみで、それによって大打撃を受けている地方経済や、観光、飲食業への支援や非正規労働者への救済対策は不十分です。コロナ禍での経済の低迷は、貧富の格差を拡大し、平均賃金の低下、失業者の増加によって非正規労働者の自殺が増加しています。しかし、政府は一律給付金は二度とやる気は無いと言い放ち、困窮した国民の救済は念頭にありません。

 自民政権の腐敗が噴出しています。河井夫妻の買収事件では、河井克行元法務大臣に有罪判決が出されましたが、1億5000万円の自民党本部からの特別提供は一切明らかにされていません。また、100人に及ぶ被買収者を、全員不起訴にするという法治国家とは思えない対応をしています。

 菅原一秀元経産大臣の買収事件もまた、検察は不起訴としましたが、検察審査会で起訴相当とされ、略式起訴とせざるを得ませんでした。吉川元農林大臣の贈収賄事件は、在宅起訴され辞任せざるを得ませんでした。また、公明党は、貸金業法違反事件で2名の現職議員の議員事務所が家宅捜索を受けるなど、腐敗では負けていません。このように、安倍・菅、自・公内閣の9年間、「汚物まみれの政治」が行われてきたのです。その間日本経済は、大企業や政権の周辺いる特定の者だけが利益を受ける一方、一般国民は低賃金に喘ぎ、庶民の生活は消費税増税など一層苦しめられています。この間、主要先進国の中で賃金が低下しているのは日本だけです。

 このような無策続きの自公政権への支持率は低下を続け、補欠選挙での4連敗、地方選挙での自民系候補の低迷・落選が続き、都議会議員選挙では自民党は実質的敗北を喫しました。そんな中での起死回生策が、五輪の強行と新型コロナワクチンでした。しかし、国民の側を向いていないこれらの政策は、ちぐはぐさばかりが目立ち、菅首相が全面的に支援した地元の横浜市長選では、野党統一系候補者が大差で勝利しました。 

 新型コロナワクチンは、希望する65歳以上の高齢者に7月中に接種を完了するという菅首相の「公約」は果たされませんでした。ワクチンは、緊急承認という形で接種されていますが、ファイザー、モデルナ社製のワクチンは2023年5月までが治験期間です。副反応の心配や、次々と出現する変異種には十分に対応できないとも言われ、ほぼワクチン接種が完了しているイギリスやイスラエルでの感染再拡大も起こっています。このような中での東京五輪の強行は、感染拡大をもたらしただけでした。さらにパラリンピックも強行し、児童・生徒の学校観戦も実施するとしています。問題は、コロナでの死亡率の極めて低い若年層へのワクチン接種や、希望しない者への強制です。ワクチンパスポートも始まりましたが、接種の強制とならないよう監視が必要です。

  このように、9年間にわたる自・公政権の中で、経済の低迷、政治の腐敗がすすみ、社会に嘘とごまかしが蔓延して、権力を握るもの、その周囲にいる者たちだけが利益を得るような社会となってしまいました。また、メディア支配が進み、真実を伝える情報が少なくなっています。このような社会を変えるためには、今年10月末までに行われる衆議院選挙において、野党統一候補の擁立と、その勝利に向けた努力が求められています。前述したように、東アジアにおける戦争の危機も高まっています。私達が長年誓ってきた「教え子を再び戦場に送らない」ためにも、神高教シニア運動に結集する私達が、平和を守り、政治の革新を進め、民主主義を守り抜くために先頭に立って闘おうではありませんか。

                                         2021年8月第16回定期総会宣言に代えて

                                                神奈川県高等学校教職員組合シニア運動役員一同




 
   

16回定期総会総括

新型コロナ感染拡大が一向に収まらず、残念ながら今年度も定期総会開催を断念して書面にて議案賛否・ご意見を返信していただく形をとりました。625日役員会でハガキ・FAX・返信フォームによる返信を集約した結果、返信総数は604、各議案の賛否については、議案①;賛成603・反対1、議案②;賛成604・反対0、議案③;賛成604・反対0、議案④;賛成603・反対1で、すべての議案についてご賛同をいただき承認されたことを報告いたします。なお、2021年度運動方針案にいただいた修正意見については、原案を補強するものと判断し趣旨を受け入れて、方針案の一部の文言を修正いたします。                  【表1】参照

返信のコメント欄には、政府のコロナ対策への批判、公共放送の政治報道のおかしさなど、たくさんのご意見・ご感想をいただきました。「会報の紙面を通して元同僚の活躍ぶりを知ることができてうれしい」「情報発信を楽しみにしている」「情報の入手が便利になったがフェイクニュースもはびこっている。信用度の高い“組合の存在は安心の拠り所といえる」など、役員への励ましのコメントもたくさんいただき感謝しております。会報への掲載可の方のコメントは『会員の今』のページに掲載しています。また、コメントでいただいたご質問について紙面をお借りしてお答えします。

Q)再任用として神高教に継続加入したので、シニア会員には該当しないのではないか?

A)組合員で退職された方は、「神高教シニア運動」・「退職者会」・「(財)神奈川県高等学校教育会館」の

3つの団体に原則加入(入会金・会費不要)し、会員となっていただいています。再任用の方は現職の組合員であり、3団体の会員でもあります。シニア運動では、年金や雇用保険など、退職後の働き方での権利や最近の動向などについて情報発信に努めています。ぜひ、会報やホームページをご活用ください。

Q20年度決算の振込手数料18,713円の内訳は?21年度予算の前年度からの繰越金670,183円はどこから出てきているのか?

A)振込手数料は、皆さまから送金していただいたカンパの振込手数料になります。郵便振替払込料金を加入者負担としているため、20年度に送金していただいた106件のカンパの払込料金の合計です。21年度繰越金670,183円については20年度決算書、支出の部の予備費決算額を次年度に繰り越したものです。毎年定額の会費収入があるわけではありませんので、予備費の枠を設け必要な活動資金を支出した後、残金を予備費決算額として次年度に繰り越す形をとっています。

1年半以上にわたり、多くの集会が中止またはオンライン開催になってしまい、自由に集まり意見交換することができません。大変な日々ですが、今は一人一人が健康に気をつけて、できる場所・できる方法で声をあげ、平和・いのち・人権を守る取り組みを継続していきましょう。(平山泰子)

 
    2021年度運動方針修正意見について【表1】

(駒崎意見)P7 2.(6)について

日本人が沖縄人に向かって安易安直に「連帯」だの「仲間」だのと言える義理でしょうか?この用語・用法は丁寧な吟味なしに無造作・無神経に反射的・習慣的に扱うことは、言葉をおとしめ、又人を傷つけるものではないかと懸念危惧します。ぜひ内部での討議をお願い致します。

 意見の底流については同感するが、それを受け止めつつ運動を進めることを表明する。

(鈴木修正意見)P6 2.(2)について

3行目末「菅首相による、学問の自由への不当な介入である、6名の日本学術会議委員の任命拒否の撤回を求める。」が以下のようであったらと思います。

菅首相による学問の自由への不当介入に反対し6名の日本学術会議委員の任命を求める。

 P6 2.(2)34行目を次のように修正する。

「菅首相による、学問の自由への不当な介入に反対し、6名の日本学術会議会員の任命を求める。」

(山梨修正意見①)P7 2.(5)P8 3.(3)について

P73行目、6行目、P86行目の「国民」を「全ての人々」に変える。

 正しい意味としては修正意見の通りと考えるが、運動方針中の「国民」の使い方は、憲法等で使われる意味での「国民」であり、その意味するところは日本に住む「全ての人々」と考える。それを表明することで趣旨を受け入れる。

(山梨修正意見②)P8 3.(3)について 

(3)に「外国につながる子ども(人々)」の人権の保障(日本語を学ぶ権利、母語、母文化を学び維持する権利を含めて)の追加を希望

 P8 3.(3)の後に次の文言を加える。

「また、全ての外国につながる子どもたちの人権保障を求める。」