15回定期総会総括

 530日開催予定で準備を進めていた定期総会は、コロナウイルス感染拡大の影響で開催することができず、65日にようやく皆さまに総会資料をお送りして、議案への賛否・ご意見を返信していただく形を取らせていただきました。731日開催の役員会で集計結果を確認したところ、返信総数473で、経過報告、決算・予算、運動方針案については賛成472、反対1、役員改正案については賛成471、反対2でした。議案への具体的な修正意見はなく、すべての議案について多くの皆さまのご賛同をいただき、提案のとおり承認されたことを報告いたします。

 返信のご意見・ご感想からは、突然の一斉休校への疑問、横浜IRカジノに反対する思い、民主主義を踏みにじる政権を注視せざるを得ず、退職して第2の人生を謳歌するどころではなくなった…など、まっとうな社会を取り戻そうと活動されている会員の皆さまの思いがひしひしと伝わってきました。2020年度、ほとんどの集会が中止となり、抗議行動などを行うことが難しい状況ではありますが、さまざまな方法でつながり、できる場所で、できる方法で声をあげて、平和・いのち・人権を守る取り組み、退職者の生活を守る取り組みを継続していきましょう。 (平山泰子)

2019年度の活動を振り返って

 歴代最長となった安倍政権は民主主義の基盤を掘り崩し続け、事態はますます深刻さを増しています。財務省による森友学園の決裁文書改竄をはじめ、20191月に毎月勤労統計不正・偽装調査など政府統計の不正処理が相次いで発覚したにもかかわらず真相はなにも解明されないままうやむやのままです。10月に辞任した菅原一秀前経産相も、河井克行前法相も、ともに何も語らないまま現在に至っています。安倍首相は「任命責任は私にある」と言えば責任をとったことになると考えているようです。未曽有の公文書改竄でも麻生氏が続投し、選挙区で秘書が線香を配って批判された茂木敏充前経済再生相は外相に起用され、大臣室で現金を受けとった甘利明氏は自民党税制調査会長に就いています。なんと有権者がみくびられていることでしょう。

安倍政権の国会軽視も深刻です。野党が4月に予算委員会の開催を要求したものの、国会規則を無視して10月の臨時国会まで約200日以上も開かれませんでした。また、野党が要求した参考人招致はほとんど無視され続けています。国会軽視の極め付きが自衛隊の中東派遣です。憲法違反の可能性がある自衛隊派遣を、国会審議をまったくせず、年末に閣議決定だけで決めてしまいました。

11月に野党議員が追及した「桜を見る会」の疑惑は大問題に発展しました。参加範囲は「功労・功績者」のはずなのに参加者数が増え、支出額が予算の3倍、5500万円にもなっている問題は、追及を通して首相自身が招待関与を認め、2019年の招待者の5割以上が官邸幹部と自民党による推薦であること、招待者の中に取引停止命令を受けたマルチ商法業者が含まれていたことがわかっています。しかし、この件に関する官僚の答弁は「お答えできる資料を持ち合わせておりません」「個人情報なのでお答えできません」「名簿は遅滞なく廃棄しました」の繰り返しで、まるで政権に貢献する従者となり、官僚が社会に貢献する公僕としての矜持など失ってしまったようです。

7月に行なわれた参院選の全体の投票率が48.8%、1819歳の投票率は前回より15.45ポイント下がって31.33%というのも大変気になります。私たち有権者が「責任の放棄」「国会軽視」「官僚の変質」という政治の現状を放置し続ければ、民主主義はどこまでも壊されてしまいます。

安倍政権を終わらせ、立憲主義を取り戻すために、若い人たちとも力を合わせて、あきらめず、

ねばり強い運動を展開していきましょう。

 

1.  組織拡大・充実、組織体制の整備を目指す取り組み

2019年度には235名の新会員を迎えました。会報を年3回発行し、総会の出欠はがき・メール等に寄せられた会員の声を会報に「会員の今」として掲載したり、「シニアライフ」コーナーなどで会員の様々な活動を紹介してきました。財政については、神高教からの支援金や会員のみなさまからの「高校生平和大使カンパ」「日退教連帯カンパ」や「シニア運動の運営カンパ」、神高教指示に基づく行動への参加補助などを活動費に充てています。厳しい状況ではありますが、これまで2月に発送していた会報を4月に総会案内と合わせて発送することで発送費用1回分を倹約したり、総会出欠確認にメール返信フォームやFAXを利用できるようにし、返信はがきには切手を貼付していただくなどの工夫をしてきました。総会等で窮状をお伝えしたところ、今年度は昨年を大きく上回る388千円のカンパをお寄せいただきました。心から感謝申し上げます。今後も工夫をしながら、会員のみなさまをつなぐ活動を継続していきたいと思います。

2.     神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取り組み

(1)721日に投開票が行われた参院選で、立憲野党は改憲派を3分の2割れに追い込みました。104日に開会した臨時国会の所信表明演説で、安倍首相は憲法9条への自衛隊明記など、改憲に向けた議論を呼びかけましたが、閣僚の連続辞任、「桜を見る会」の私物化問題が噴出するなどして、衆院憲法審査会が開催されたものの国民投票法改正案の採決は断念され、安倍首相の総裁任期中の改憲は困難な状況になりました。シニア運動は神高教とともに県内各駅頭で行われた「改憲させない県内駅頭宣伝行動」に参加して署名活動に取り組み、「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会2019」、「2019憲法を考える5.3県民集会」、「建国記念の日と憲法を考える集会-日本と韓国の今-(2/11)」に参加しました。引き続き憲法改悪阻止に向けた取り組み、世論に訴える取り組みが必要です。

   また、「映画『アイたちの学校』上映会(12/4)」、「不戦の誓い学習会『日韓関係の戦後課題』(12/5)」に参加して日韓関係についての理解を深めました。

(2)1227日、安倍政権は臨時閣議を開き、防衛省設置法に基づく「調査・研究」目的で海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機2機、要員260人の中東派遣を決定しました。「不測の事態」が生じた場合は、武器使用も可能となる「海上警備行動を発令する」としていて、隊員がいつ武力紛争に巻き込まれてもおかしくない状況であり、情報を米軍や有志連合と共有することで、自衛隊が攻撃目標とされるおそれさえあります。「自衛隊を中東に送るな!閣議決定反対!緊急行動(12/27)」、「海自・護衛艦たかなみの中東派遣、即時停止を求める緊急横須賀行動(2/12/2)」、に参加しました。

   2020年度当初予算案では、防衛費は53133億円と6年連続で過去最高を更新しました。これまでの陸・海・空の枠組み以外の宇宙やサイバーなど新しい領域での対応能力を高めるほか、米国製ステルス戦闘機F35B購入に793億円、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機開発のための111億円などが計上され、「専守防衛」を逸脱する軍事力整備が進められています。安倍政権が進めてきた戦争ができる国へと歩を進める諸法令の廃止に向けた運動、防衛予算の大幅増額に反対する運動を強化する必要があります。

(3)1214日で辺野古沿岸部への土砂投入が強行されて1年となりました。「普天間飛行場代替施設建設事業に係る技術検討委員会」の第1回会合で、政府は新基地の供用期間を50年と設定していることを明らかにしました。複数の委員が軟弱地盤のため、建設費26500億円(沖縄県試算)にとどまらず、完成後も50年間地盤沈下に伴う補修などで莫大な支出が避けられないと指摘しています。基地建設に反対する沖縄市民への不当な弾圧に反対し、辺野古新基地をつくらせない闘いを支援し、沖縄とともに取り組みましょう。「示そう辺野古NO!の民意を!全国総行動525国会包囲行動」「安倍改憲発議阻止!辺野古新基地建設やめろ!東北アジアに平和と友好を!113憲法集会」に参加しました。

   112日にロナルド・レーガンが入港し、横須賀基地への原子力艦寄港は、1966年の原子力潜水艦スヌーク寄港から通算1000回に達しました。神高教・日教組・平和フォーラムとともにオスプレイ配備撤回、日米地位協定の抜本的改定、基地撤去などに向けて「原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議!母港撤回を求める101全国集会」に参加しました。

 

(4)関西・四国・九州電力は、テロ対策施設の完成が期限に間に合わないことを明らかにしました。九州電力は川内原発12号機を20203月に運転停止すると表明、関電高浜原発34号機も2020年夏以降運転停止することになっています。関電幹部の金品受領問題などにより、再稼働に不可欠な地元同意を得ることが困難であり、現在停止中の12号機を含め全4基が運転停止となる公算が高まっています。国連は、2020年度までに石炭火力発電の新規建設を中止するよう各国に呼びかけており、22基の大型火力発電所の建設(計画)が進行中で途上国への輸出も継続している日本は世界から批判を浴びました。2030年の電源構成比が石炭火力26%、原発2022%と、石炭と原子力に拘り続けるエネルギー計画に縛られる日本はますます世界から遠ざかっています。「さようなら原発全国集会(916)」、「ストッププルトニウム神奈川連絡会総会・講演会(121)」に大勢のシニア運動会員が参加しました。

(5)再任用者、非常勤職員など定年後の教職員が生活できる賃金の保障、労働条件の改善、安心して働ける環境整備に神高教とともに取り組んできました。課題であった臨任の療養休暇が20204月から常勤と同様90日有給(これまでは10日のうち5日有給)と大幅に改善されました。また、20204月からは会計年度任用職員制度がスタートすることに伴って、特別職として任用されている非常勤講師が一般職に移行します。引き続き「会計年度任用職員」の制度運用について検証し待遇改善となるような取り組みが必要です。

通常国会に国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる関連法改正案が提案され、2022年度から実施の見通しとなっています。60歳後の給与水準は7割程度となっています。定年引上げと連動して、再任用給与水準の改善に取り組む必要があります。シニア運動では、「再任用者と雇用(失業)保険」についての資料を配付し、再任用を退職した時は忘れずに失業給付を申請するよう呼びかけました。

(6)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて様々な場で取り組んできました。「9.16地公三単産・地公退高齢者集会」、「9.17全国高齢者集会」などに積極的に参加して、高齢期の暮らしを心豊かで生き甲斐あるものにするため、年金・介護・医療制度などの改善をめざして運動を進めることの重要性を確認することができました。また、シニア運動交流会では「国民健康保険」をテーマに、逆進性の強い保険料の仕組みについて理解を深めました。

(7)10月に消費税が10%に引き上げられ、経済が落ち込んだ上に新型コロナ感染防止のため、外出やイベントなどの自粛要請が出され、飲食・観光・宿泊・運輸など多くの中小事業者に深刻な影響が出ています。また、文化・芸術分野でも公演中止などにより、関係する多くのフリーランスが無収入になっています。本来、自粛と補償はセットであるべきですが、首相は「税金による補填は難しい」としています。損失補填、直接支援がなければ経済危機は乗り越えられません。

(8)新型コロナウイルス感染拡大で、安倍首相は科学的根拠も示さずに全国の学校の一斉休校を要請し、ほとんどの教育委員会がそれに従いました。子どものため仕事を休まざるを得ない保護者への対応が問題になりましたが、子どもの学習権が奪われることについての論点はほとんどありませんでした。権力による教育への介入を許さない取り組みを掲げる私たちの意識も試されています。今後、一斉休校要請や教育委員会の対応について検証する必要があります。

神奈川の教育の諸課題の解決に向けての取り組みについては、「第62次教育研究集会(11/30)」、「高校教育会館2019討論集会(11/16)」に参加して現役世代との交流を深めました。「教科書について考える市民の集い(6/1)」、「教科書市民フォーラム講演会(11/16)」などに参加しました。

(9)日退教の第48回定期総会が67日に開催されました。竹田邦明さんが会長に選出され、運動方針を確立しました。また、日退教関東地区組織活動交流集会(9/27)、日退教組織活動交流集会(10/11)に参加して交流を深めました。日退教三・一独立運動100 周年記念ソウルへの旅(10/79)に4名、沖縄と連帯する日退教第10次沖縄交流団(11/67)には3名が参加、日退教第4回福島学習の旅(11/1718)1名が参加しました。日退教が呼びかけた「日退教連帯カンパ」には会員からのカンパ8万円を寄付し、台風15号・19号被災会員支援カンパに1万円を寄付しました。

県内の退職者労働組合で組織されている神奈川シニア連合第28回定期総会(11/22)に参加して、県内労働組合の退職者組織との交流を図ってきました。神奈川シニア連合施設見学会(6/13 羽田クロノゲート)に参加しました。

10)「桜を見る会」での税金私物化など、安倍政権のモラルハザードが次々明らかになっています。森友問題では、決算文書の改竄を強要された末、命を絶った財務省近畿財務局職員の妻が手記を公開し、真相を知りたいと佐川元理財局長と国を提訴しました。国会での追及に安倍首相も麻生財務相も再調査の必要はないと強弁しています。しかも、あろうことか中立たるべき検察首脳人事に介入し、法解釈や国会答弁を強引に変える無理を重ねてこの国の法治を踏みにじっています。安倍政権の独裁的・権力私物化はまさに国家の底が抜ける状態と言えます。でたらめな政権運営を許してはなりません。主権者として声をあげ、度重なる公文書の改竄・廃棄、政権によるマスメディアのコントロールを許さない取り組みを一層強めましょう。安倍政権退陣!を求めて総がかり行動が呼びかける「毎月19日の国会議員会館前行動」に毎回大勢のシニア運動会員が参加し、ねばり強く取り組みました。何としても安倍政権を退陣させましょう。

3.若者・子ども支援の取り組み

 若者支援については、神高教が中心になり、2014年に立ち上げた「生徒・若者支援センター」に

シニア運動も団体会員となり、様々な困難を抱えている生徒・若者に対して手厚い支援ができる環

境づくりを目指して積極的に関わってきました。68日に開催されたかながわ生徒・若者支援セ

ンター総会・「カフェ・サミット2019」に参加しました。

「高校生平和大使」派遣運動への協力の取り組みについてはカンパを中心に取り組み、8万円を寄付しました。また、シニア運動会員がかかわっている福島の子どもたちを神奈川での保養に招く活動をしている3つの団体(福島こども・こらっせ神奈川、福島の子どもたちとともに川崎市民の会、福島の子どもたちとともに・西湘の会)に5万円ずつ寄付をしました。

4.      地方自治、市民運動を担う取り組み

地方自治、市民運動を担う取り組みについては、労働相談ネットワーク運動に参加してきました。神奈川労働相談ネットワークは神高教、国労、自治労などの県内労組と労災職業病センター、神奈川ユニオン協議会などで構成されています。また、県内の教育支援や各種ボランティア組織を会報・ホームページなどで紹介し、「県民のいのちとくらしを守る共同委員会(略称:いのくら)」の活動にも積極的に参加してきました。津久井やまゆり園で19人もの重度障害者の命が奪われた凄惨な事件を風化させないため、「『やまゆり』からいのちを問い続ける第3回横浜フォーラム」が831日に開催されました。シニア運動は神高教とともにこのフォーラムの実行委員会に参加しています。

 

5.「シニア運動」活動交流を進める取り組み

(1)「かながわ中央メーデー」、「神奈川地域労働運動交流メーデー」さらに「神高教教研集会」などの神高教の運動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深めてきました。

(2)ホームページには平和・人権・民主主義を守る様々な行動の案内、再任用・非常勤職員の権利についての情報、年金・雇用保険の情報などを掲載してきました。積極的な利用を推進するために「掲示板」コーナーも開設しています。また、現職者を交えての交流会(11/16)は11回目になり、現役を含む26名の参加者で退職後の様々な生活などについて情報交換するなど、会員の交流を図りました。さらに、神高教退職予定者説明会(1/18)に役員が手伝いで参加し、税務説明会(2/15)でも、確定申告書き方の説明の補助をしました。退職2年目以降のシニア運動会員にも参加を呼びかけ、再任用を辞めたので改めて説明を聞きたいという会員の参加も含め、60名の参加がありました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、331日に予定されていた神高教退職者パーティーは中止となりました。

(3)研究会・同好会については、現在ゴルフ同好会と写真同好会が活動しており、ゴルフ大会の開催、神奈川県内各地での写真撮影会などを行って交流を深めています。今後の発展と新しい会の設立が期待されます。

 

2020年度運動方針

1.組織拡大・充実、組織体制の整備・財政の確立をめざす取り組み

(1)既退職者への加入の働きかけを行う。

(2)事務局体制の強化をはかり、会報の定期発行など教宣活動に取り組む。

(3)組織運動強化のため、神高教との連携を強化し、財政体制の確立をはかる。

(4)組織運営や日退教などの要請カンパの資金をまかなうため、会員からの任意カンパ活動を行う。

(5)定年延長への対応についての組織的整理・検討を進める。

2.憲法改悪反対、安倍政権の退陣など神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取り組み
(1)憲法九条への「自衛隊」明記、緊急事態条項の新設など、安倍政権が進めている

憲法「改悪」に反対し、3000万署名活動など改憲阻止に向けた活動に積極的に参加する。

また、中国や北朝鮮、さらには韓国との関係を悪化させ、国民の不安と危機感を煽る施策に反対し、近隣諸国との友好関係を進め、東アジアの非核化・平和実現に向けた取り組みを支持する。

(2)安倍内閣が進めてきた戦争ができる国へと歩を進めるための諸法令、「テロ等準備罪法」(共謀罪法)、「平和安全保障関連法」(戦争法)、「特定秘密保護法」などの廃止に向けた運動に取り組む。また、安倍内閣の下で進められている防衛予算の大幅増額に反対する。

また、安倍内閣による新型コロナ対策「新型コロナ対策特別措置法」による「緊急事態宣言」発令の問題点を明らかにし、権利侵害にならぬよう注視する。

(3消費税の10%ヘの増税によりもたらされた経済停滞を解決するために、消費税の引き下げを含めた対策を求める。特に、逆進性である消費税の問題点を明らかにし、経済的弱者への対策を求める。

また、新型コロナ対策の経済対策については、弱者救済、差別なく一律に、素早い対応などを求め取り組む。

国政選挙・各首長選挙において、野党統一で自公政権打倒をめざす取り組みに協力する。

(4)森友学園・加計学園問題、黒川検事長定年延長問題、IRカジノ汚職事件や河井議員夫妻公職選挙法違反事件などに象徴される、安倍内閣の独裁的・権力を私物化する政権運営を許さないため、安倍政権の退陣を求め闘う。

財務省に代表される公的記録改竄や、自衛隊海外派遣日報隠しなど、政権による国民への知る権利の否定、シビリアンコントロールの否定を許さない取り組みを進める。

また、NHKをはじめとするマスメディアへの権力による恫喝やコントロールを許さない取り組みを進める。

山下埠頭に計画されている横浜IRカジノ計画に反対し、中止させるための様々な市民の運動に連帯する。

新型コロナ感染症の世界的蔓延による東京オリンピック・パラリンピックの1年延期による膨大な費用負担増に反対する。また、国威発揚、国家主義への利用に反対する

5)沖縄・辺野古新基地をつくらせない闘い、高江ヘリパット建設反対の闘いに沖縄の仲間とともに取り組む。また、辺野古新基地埋め立て地の軟弱地層を無視した埋め立てに反対する。横田基地へのオスプレイ配備・訓練実施に反対し、日米地位協定の改定・廃止に向けた諸活動を進める。また、宮古島、石垣島、奄美大島など西南諸島で建設が進められている自衛隊基地の新設に反対する。

)原発廃止に向けた取り組みを強め、原発の再稼働・輸出を許さず、脱原発社会を実現するために様々な運動を展開する。また、野党各党が共同提案した「原発ゼロ基本法案」の成立に向けた取り組みを支持する。またCO2排出を増やす石炭火力発電所の新増設に反対する。

    オリンピックのために進めている、福島県民を強制的に帰還させる政策に反対する。とりわけ、自主避難者に対する住宅支援打ち切りに反対し、再支給を求める。放射性廃土の再利用や全国にまき散らすという無謀な方針に反対する。また、トリチウム水の海への放出に反対する。

3.シニア・再任用者などの生活・高校教育を守る取り組み

(1)再任用者・退職臨時任用者・非常勤職員など、定年後の教職員が生活できる賃金の保障、労働条件の改善、安心して働ける環境整備に神高教とともに取り組む。特に、劣悪な教育職2級再任用賃金の改善、一時金の増額、任用時間の別なく希望に基づく現任校雇用の継続等一層の改善に向けて取り組む。

また、行政職再任用賃金制度の改悪に反対し、5級へ戻すことを求める。

とくに、民間の再雇用者と同様に、退職時の賃金の75%を保障する制度作りを求める。また、高度プロフェッショナル制度や月100時間の残業容認など過労死を誘発するような労働法制の改善を求めるとともに、教員の長時間労働の是正につながらない変形労働時間制の導入に反対する。

雇用保険について正しく理解するための説明会の実施を求める。

  シニア会員の非常勤・臨時任用職員の雇用条件については、神高教非常勤専門委員会とともに取り組みを進める。

)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取り組む。
   老後に安心して生活できる年金制度の創設を要求するとともに、公的年金控除・老年                

者控除の復元を求める。医療保険制度、介護保険制度の改悪を許さない取り組みを進める。とくに、過剰負担となっている国民健康保険料、介護保険料の問題点の学習を進める。

3)教育制度改革の名目で進められている、教育の国家支配・統制に反対する。

教科書選定の民主化に向け取り組みを進める。教科道徳の問題点を明らかにし、今年度選定される中学校教科書の教科書展示会への参加と意見表明を呼びかける。また、高校「社会科」新科目「公共」「歴史総合」を導入する高校新学習指導要領の問題点を明らかにし反対する。

神高教と連携して、教育は国民の権利であることを基本に、国家による教育支配に反対し、主権者教育・平和教育・人権尊重の教育について学習し推進する。
「教育勅語」の教材化や安倍内閣の戦前回帰教育に反対する。権力による教育への介入を許さない取り組みを進める。

朝鮮学園への補助金打ち切りなど子ども達を差別する政策に反対し、速やかな支援の回復を求めて取り組む。

)日退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)・日退教関東ブロックなどとともに退職後の生活・労働問題などの諸課題解決に向け取り組むとともに、活動交流に積極的に参加する。

4.若者・子ども支援の取り組み

若者の運動を支援するため、「生徒・若者支援センター」の取り組みに積極的に参加する。また「高校生平和大使」の運動に協力する。

若者・子どもの貧困克服の活動に積極的に取り組む。特に、若者を苦しめている有利子奨学制度を廃止し、公的な給付型奨学制度の創設に向けた取り組みや、大学までの授業料無償化に向けた取り組みを進める。

また、東日本大震災・熊本地震・2019台風豪雨災害などで被災した小・中・高校生への支援を行う。

5.地方自治、市民運動を担う取り組み
「労働相談ネットワーク」の活動に参加するとともに、ボランティア組織を紹介する。また、市民団体・生協・労働組合が集まり、生活者の立場から、地域社会の在り方を問い続けている「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会(略称:いのくら)」の活動に参加する。

6.「シニア運動」活動交流を進める取り組み
(1)神高教運動への支援活動に積極的に参加し、現役世代との交流を深める。

(2)ホームぺージの活用や各種交流会を開催し、会員同士の交流を深める。
(3)運動の活性化に向けて女性役員」を増やすために努力する。

また、研究会や同好会の活発化を図るとともに新規開設をめざす。

     
   
2019年度決算
収入
項目 予算 決算 備考
繰越金 568,351 568,351
神高教よりの支援金 690,000 705,000 235名 @3,000
会員負担金(カンパ) 300,000 388,000 日退教カンパ・高校生平和大使カンパ・ 
シニア運動カンパ 
上部団体等からの返戻金 1,000,000 893,860 日退教より    15,860
神高教より   878,000
広告・事務経費 0 0
その他 30,000 30,002 お祝い 30,000 
利息 2                    
合計 2,588,351 2,585,213
支出
項目 予算 決算 備考
活動費 1,100,000 1,144,891
封筒・ハガキ   49,979
会報等送料  366,756  
会報印刷代  382,500 
総会・交流会  74,656
図書カード   181,000  
上部団体要請行動補助  90,000


             
事務局費 900,000 722,780 事務局旅費・行動費            
分担金 120,000 138,090
日退教    93,940  
日退教関東ブロック 10,000
神奈川シニア連合 15,000
いのくら    3,000
かながわ生徒若者支援センター  10,150
やまゆりフォーラム実行委員会  3,000
戦争をさせないかながわの会   3,000
他団体・運動カンパ 350,000 320,360 高校生平和大使   80,000
日退教連帯カンパ 80,000
福島こども・こらっせ神奈川   50,000
福島の子どもたちともに川崎市民の会 50,000
福島の子どもたちとともに・西湘の会  50,360
台風被災会員カンパ   10,000
その他 10,000 15,273 振り込み手数料  15,273 
予備費 108,351 243,819 次年度へ繰り越し
合計 2,588,351
   監査報告
   通帳および会計書類を監査した結果間違いありません
2010.4.10
会計監査
 
     
   
2020年度予算(案)
収入
項目 前年度決算 20年度 備考
前年度から繰り越し 568,351 243,819
神高教よりの支援金 705,000 1,100,000 220人@5,000
会員負担金(カンパ) 388,000 300,000
上部団体等からの返戻金 893,860 800,000 日退教・神高教からの行動補助
広告・事務手数料 0 0
その他 30,002 30,000 利息等
合計 2,585,213 2,473,819
支出
項目 前年度決算 20年度 備考
活動費 1,144,891 1,100,000 封筒、 会報等送料、会報印刷代、
総会・交流会、図書カード等
事務局費 722,780 800,000 事務局旅費・行動費、ホームページ管理
分担金 138,090 140,000 日退教、日退教関ブロ、
神奈川シニア連合 、生徒若者支援その他
他団体・運動カンパ 320,360 300,000 高校生平和大使派遣補助等
その他 15,273 15,000 振込手数料 事務用品等
予備費 243,819 118,819
合計 2,585,213 2,473,819
 
     
   

神高教シニア運動第15回定期総会宣言に代えて

                                           

 新型コロナ禍の中で、私達はシニア運動第15回定期総会を開催することが出来ませんでした。会員の皆様には、経過報告、運動方針、予算決算・予算案を送付し、ご検討をお願いさせて頂きました。そのような中でも、多くの会員の方々からご意見、ご賛同を頂き、今年度の活動を承認していただきました。役員一同感謝する次第です。

 新型コロナ禍の状況は、非常事態宣言下で一時的に収束に向かいました。安倍政権が何ら有効な対策をしないにもかかわらず収束に向かったことを、安倍首相は「日本モデルの成功」と世界に向けて高らかに宣言しました。また、麻生副総理は、「日本人の民度が高いからだ」と公言し、世界からひんしゅくを買いました。しかし、現在、日本は7月以降第二波感染拡大と言える状況となっています。

  安倍政権は、新型コロナが昨年末に中国で発生した直後から、感染を防ぐ手立てに失敗を繰り返しました。2月当初、世界が中国からの旅行客の入国制限を始めている最中、日本は習近平主席の国賓来日を4月に控えて、春節を迎える中国観光客の来日を呼びかけていました。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で発生した感染拡大の封じこめにも、大失敗をしました。そんな中、「(新型コロナは)改憲議論のきっかけとなる」(下村元文科大臣)、「緊急事態条項の大きな実験台」(伊吹元衆院議長)との発言が行われるなど、自民党による改憲に前のめりな発言が繰り返されました。

 安倍首相は、2月27日学校の一斉休校要請を行いましたが、全国的には実質的強制という形となりました。この「世紀の愚策」とも言える突然の一斉休校措置により、子ども達と保護者が受けた被害は計り知れません。さらに、不足するマスクを配布すれば失政を挽回出来るとばかり、全国民への「アベノマスク」の配布を突然発表しました。このアベノマスクは、大量の非衛生不良品を含み、ほとんど使われないまま500億円もの税金が浪費された結果に終わっています。

 また、新型コロナ対策が後手後手となった原因の一つに、今年予定されていた東京オリンピック・パラリンピック大会がありました。それは、IOCによって大会の1年延期が発表された途端に、感染者数が急増した事からも明らかです。小池都知事は、コロナ対策を口実に、連日のテレビ会見を自らの知事選挙に利用したとも言われるなど、政治家によるコロナ禍の利用が露骨に見られています。

 4月7日に新型コロナ特措法による緊急事態宣言が発令せられ、国民に外出自粛が求められました。その結果、感染者数は急激に減少しましたが、国民経済は急激に落ち込みました。4月27日には、困窮する国民を救済するとして、国民1人10万円が特別定額給付金として支給されることとなりましたが、7月末の段階でもまだ支給が完了していません。

 第一次補正予算の柱の持続化給付金は、自民党と関係の深い電通の子会社に丸投げされ、そこから多額の税金が中抜きされている実態が明らかになりました。アベノマスクも、各種給付金も、GOTOキャンペーンも、これら全てで安倍政権の関連企業への利権が絡んでいることも明らかになりました。30兆円規模の第二次補正予算も、その3分の1が政府の一存で自由に使える予備費で、異常な予算編成となっています。

 このように政府による新型コロナ対策が失敗している状況の中で、6月17日の通常国会の閉会に当たって、安倍首相は「1ヶ月半でコロナの流行を収束させた。日本モデルの成功」と高らかに宣言したのです。ところが、この宣言後、経済を進めるために「自粛」を緩めた結果、新型コロナ感染の第二波が始まってしまいました。

 しかし、こんな中でも、感染者を明らかにし、感染拡大を防止するためのPCR検査を、2月段階から拡充が訴えられながら、半年以上たっても一向に進んでいません。政府は、その増やせない原因となっている感染症法の改正のための臨時国会を召集しようともしていません。

  この様な中でも、安倍首相は「改憲」の野望を諦めるどころか、新型コロナ禍を利用して、「憲法に緊急事態条項が無いから素早い適切な対応が出来ない」と自らの無策を憲法の所為にして、①九条に自衛隊を書き加える、②緊急事態条項を加える、③教育の無償化を加える、④参議院の区割り変更、の4項目を国会の憲法審査会に提出し議論を進めるよう迫っています。

 防衛省は、イージス・アショアの配置を断念しました。すると、自民党はその代わりだとして、専守防衛を否定する「敵基地攻撃能力保有」の提言を行いました。安倍首相は、それを積極的に受け入れ、年内に「国家安全保障戦略」の見直しを表明しています。

 一方、政治腐敗は止まるところを知りません。これまで甘利UR事件、森友学園事件、加計学園事件、「桜を見る会」疑惑、秋元IR汚職事件、菅原経済産業大臣選挙違反事件などで、安倍政権の守護神と言われた黒川弘務東京高検検事長の定年延長を検察庁法に違反して強行しました。さらに、黒川検事長を検察庁トップの検事総長とするために、検察庁法を変えて政府の一存で定年延長できる法改正をしようとしましたが、「#検察庁法改正に反対します」のツイートがわずかな期間で500万を超えるなど、国民の猛反発を受けました。この狙いは河井議員夫妻の公職選挙法違反容疑を立件させないためと言われていましたが、結局、黒川検事長は賭け麻雀疑惑によって辞職せざるを得ませんでした。市民団体などは、東京検察庁特捜部に起訴を求めて告発しましたが、特捜部は不起訴を決定しました。市民団体などは、それを不当として検察審査会での審査を申請し受理されています。

 経済も、異次元の金融緩和を中心とするアベノミクスで、意図的に好景気を演出してきましたが、コロナ禍による経済打撃によってその化けの皮が剥がされてしまいました。アベノミクスは、すでに2年前から失速していて、そのような中で消費税増税を行ったこととコロナ禍で、GDPが年率換算で27.8%も下落したことが明らかになりました。

  今後、アベノミクスの中で進んできた貧富の格差拡大とコロナ不況による失業者の急増などで、国民の生活が一層苦しくなる事が懸念されています。

  教育も、安倍内閣の教育政策の中で大きな被害を受けています。それは、コロナ禍による一斉休校による教育の立ち後れだけではありません。昨年末の大学入試制度の改革失敗は、入試に臨む受験生に大変な混乱と被害を与えました。また、大学の閉鎖や、親の経済的困難やアルバイト収入減などによる学生の生活の困窮も大きな問題となっており、授業料減免や、奨学金拡充、就職支援などが求められています。しかし、学生支援策として行われた10万円の学生支援緊急給付金は、支援対象から朝鮮大学生を外すなど差別的対応を行っています。

  今年は、来年度の中学教科書の採択年で、来年度から始める教科道徳と横浜市、藤沢市で使われてきた育鵬社版「歴史」「公民」の採択が注目されました。8年にわたって取り組んできた市民の運動により、来年度からは両市とも育鵬社以外の教科書が使用される事となりました。また、全国的にも育鵬社教科書は採択数が激減しています。

  安倍首相の「戦争」に真摯に向き合おうとしない姿勢は、一層強まっています。広島・長崎の平和式典では、被爆者の期待する国連核兵器禁止条約批准にはまったく触れないばかりか、両市での挨拶文は93%以上が同文でした。15日の敗戦記念日での挨拶は、「歴史の教訓」という文言をなくし、「積極的平和主義」を新たに加えるなど、先の戦争への反省に乏しい内容としています。

  このように、8年に及ぶ安倍政権による民主主義破壊と国民生活の疲弊は極みに達しています。また、日本は平和・政治・司法・経済・教育・メディアなどあらゆる分野で世界から立ち後れ、民主主義の破壊が進められています。国民もこの様な状況の中で安倍内閣を見限り始める中、安倍首相の健康不安が流布され始めました。そんな中、歴代総理大臣の連続在任最長記録の更新直後の8月28日、安倍首相は、10週間ぶりに開いた新たなコロナ対策を表明する記者会見の場で突然健康不安による辞意を表明しました。

 自公政権は、首相のすげ替えによって、安倍政権により進められてきた、民主主義の破壊、戦争準備、差別と分断の進行、国民経済の破壊、さらには、権力の私物化、官僚機構の破壊などを誤魔化そうとしています。私達は、この安倍政治の負の遺産の継承を許すことは出来ません。今後、年内にも行われるとされる総選挙に向けて、自公政権打倒に向けて、立憲野党を中心とする野党共闘による統一候補の擁立が急務となっています。

 私達、神高教シニア運動会員一同は、自公政権を打倒することによって、改憲を阻止し、平和と民主主義、国民生活を守り、国民のための新型コロナ対策を行う体制を作るために全力を尽くそうではありませんか。

                                                   2020年8月

                                                                神高教シニア運動役員一同