第6回定期総会は5月28日(土)高校教育会館において、22名の参加で行われました。
山崎さんの開会宣言の後、議長に川島さん(2010年度退職)が選出され、先ず代表挨拶では地代所さんからシニア運動も6年目を迎えるが、もっと参加しやすい新しい企画を考えている旨の報告あり、 執行部副委員長の佐藤さんから、当面の情勢や震災カンパに約400万集まったことなどの報告が、日退教副次長の竹田さんからは、日退教の取り組み、災害救援連帯カンパが現地の退教に送られていることなどの報告があった。
次に議題に入り、事務局長の中野渡さんから2010年度の活動報告、平瀬さんからは決算報告が行われた。
また、2011年度運動方針、予算の審議に入り、「住民税や介護、健康保険などの年金からの天引きの件」や反原発運動への取り組みについて質問や意見が出されたが、「更に反原発運動に取り組む」の追加修正が行われ、ほぼ原案通り可決された。また、予算についても、入会金が1人当たり3000円から5000円の本部負担が認められ可決された。
三橋さんからは格調高い「定期大会宣言」が行われ、最後に日退教の役員選挙には神奈川代表として引き続き竹田さんを推薦することを確認して終了した。
懇親会では参加者から現況などを報告していただき、様々な話題に花が咲いた。
2010年度の活動を振り返って
1.組織拡大・充実、組織体制の整備をめざす取り組みについて
'10年度には184名の新会員を迎えて904余名の組織となりました。役員改選と規約改正(退職時に神高教組合員でなくてもかつて組合員であった者が神高教シニア運動の目的に賛同する者を組織対象にするなど)を行い、新しい体制で出発しました。総会の出欠ハガキに寄せられた会員の声を会報に「会員の今」として掲載したり、「シニアライフ」コーナーなどで会員の活動を紹介しました。
また、前年度に続いて「再雇用とシニアライフ」といったテーマで第2回交流集会(11/6)を開催しました。参加者15名全員で近況報告を兼ねて退職後の様々な生活スタイルについて話し合いするなど、会員の交流を図ってきました。
さらに、'11年1月15日に開催された神高教ライフプランセミナーで、神高教シニア運動から“高額療養費制度と医療互助制度”“任意継続組合員か国民健康保険か”“再任用と非常勤雇用の権利について”のテーマで報告する機会があり、前年度に続いて参加者から感謝されました。'11年3月31日に開催された神高教退職者パーティーで「神高教シニア運動」への参加についてアピールしました。
財政的には今後を展望すると困難が予想され、「神高教シニア運動の財政確立について」と神高教に文書で入会金増額などを要望し、入会金の増額や保険事務費の交付などを得ることができました。
2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取り組みについて
(1)憲法改悪反対、平和・人権・民主主義などの課題については、日本国憲法の基本精神である平和と民主主義の価値を大切にする視点から、憲法改悪への動きに抗してかながわ憲法フォーラム主催の「憲法を考える5.3集会」や「憲法を考える11.3県民集会」などに参加してきました。また、国家間に生じた外交上の問題を理由にして、子どもたちの学ぶ権利を侵害することは許されないとし、「朝鮮学校への『無償化』即時適用をもとめる大集会」に参加しました。
(2)年金・医療・介護の課題については前年度から引き続き取り組みました。地公四単産(自治労、日教組、都市交、全水道)と地方公務員退職者協議会(自治退、日退連、都市退連、全水道退、都退協)の主催する「9.14高齢者集会」(9/14)や新しい医療制度を早く作ることを求める「'10全国高齢者集会」(9/15)などに積極的に参加しました。また、厚生労働省主催の新高齢者医療制度の公聴会(10/5)にも出席しました。こうした取り組みの中で、高齢期のくらしが心豊かで生き甲斐あるものにするために年金・介護・医療制度などの改善をはじめ、高齢者福祉の拡充と日本の社会保障制度の改善をめざして運動を進めることの重要性を確認することができました。
(3)神奈川の教育問題や諸課題の取り組みについては、神高教第53次教研集会(10/23)や教育研究所・教育討論集会(11/20)などに参加し、現職組合員との討論に参加しました。
(4)日本退職教職員協議会(略称:日退教、事務局次長:竹田邦明氏)の第39回総会が6月10日に開催されました。
― 日退教―
政権交代後の初の総会ということで、私たちの声を国政に反映できる機会を得ることができたとして様々な運動を続けてきた各県からの報告がありましたが、普天間基地での鳩山内閣の対応には厳しい意見が多数出されました。@生活・社会保障・税制をめぐる取り組み、A平和と教育を守る取り組み、B日退教組織の強化拡大のとりくみについて確認しました。関東地区連絡協議会の第32回定期総会(5/26)、「関東ブロック交流集会」(9/27)、五者(日教組・全国退女教・日退教・教職員共済生協・日本教職員相互共済会)合同学習会(10/14)、さらに組織活動交流集会(10/15)に参加し、他県の退職者組織と交流を深めました。
また、県内の退職者労働組合で組織されている神奈川シニア連合(幹事:中野渡強志氏)の第20回定期総会(11/29)に参加するなど、県内労働組合の退職者組織との交流を図ってきました。なお、毎年開催されてきた「神奈川シニア集会」は3.11大震災のため開催中止になりました、
(5)現職者への支援活動の取り組みについては、直接的な支援活動など引き続きの課題となっています。
(6)再任用者などの取り組みについては、持ち時間についてガイドラインを堅持させることや特勤手当の不合理の是正などの課題について、県教委に働きかけるよう神高教執行部に申し入れするなど取り組んできましたが、十分な成果は得られていません。引き続きの課題になっています。
(7)「高校生平和大使」派遣運動への協力の取り組みについては、カンパ活動を中心に取り組みました。この運動は、'05年より長崎の市民団体が中心となって高校生を平和大使として国連欧州本部に派遣しているものです。神奈川では'06年から実行委員会を作り、「高校生平和大使」の派遣に取り組んできました。派遣者を中心とした高校生は「Peace Peace Peace」を組織し、「高校生一万人署名活動」や報告会を中心とした平和活動を継続しています。'10年度も諸星佳織(厚木高校)さんが、また、同行者として山中祐貴(田園調布学園)さんが選ばれました。
会員からのカンパを基に「高校生平和大使・神奈川実行委員会」に10万円を寄付しました。
-高校生平和大使-
(8)地方自治、市民運動を担うことをめざす取り組みについては、労働相談ネットワークの事務所「たまり場・結い」(横浜駅西口)で行われている「労働・社会保障事例研究会」に積極的に参加しました。
なお、神奈川労働相談ネットワークは神高教、国労、自治労などの県内労組と労災職業病センター、神奈川ユニオン協議会などで構成されており、神高教シニア運動役員の横山滋氏が事務局次長として活躍しています。
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2011年度の運動方針(案)
(具体的取り組み)
1.組織拡大・充実、組織体制の整備を目指す。
(1)既退職者への加入の働きかけを行う。
(2)事務局体制の整備をはかり、会報発行など教宣活動に取り組む。
(3)会運営資金をまかなうため、会員の任意のカンパ活動を行う。
2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえて諸活動に取り組む。
(1)憲法改悪反対、平和・人権・民主主義などの課題に取り組む。更に反原発運動に取り組む。
(2)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取組む。
・後期高齢者医療制度の廃止を目指す。
・年金からの天引き、自己負担の引き上げ、被扶養者からの保険料徴収阻止を目指す。
(3)神奈川の教育問題など諸課題解決に向けて取り組む。
(4)日退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)などと共に諸課題に取り組む。
(5)現職者への支援活動を検討し、可能なことから具体化をすすめる。
(6)再任用者等の実態を把握し、労働条件等の改善について神高教とともに取り組む。
(7)次世代を担う若者の運動を支援する。
当面「高校生平和大使」の運動に協力する。
(8)地方自治、市民運動を担う取り組みを推進する。
当面「労働相談支援員(同行サポーター)」の養成などに参加する。
3.「シニア運動」活動交流を進める。
(1)神高教の活動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深める。
(2)ホームぺーの利用や交流集会を開催し、会員同士の交流を深める。 |
2010年度決算 |
収入 |
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項目 |
予算 |
決算 |
備考 |
繰越金 |
439,200 |
439,200 |
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入会金 |
549,000 |
552,000 |
184人@3000 |
会員負担金(カンパ) |
100,000 |
193,000 |
運営カンパ 93,000 会館職員2人分 12,000
高校生平和大使カンパ 88,000 |
返戻金 |
10,000 |
29,360 |
日退教からの旅費 |
広告・事務経費 |
0 |
110,000 |
高校生命共済事務費 100,000 LBA広告代
10,000 |
その他 |
100,000 |
30,114 |
総会お祝い 30,000 利息114
*前年度予算の高校生平和大使カンパは会員
負担金(カンパ)へ |
合計 |
1,198,200 |
1,353,674 |
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支出 |
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項目 |
予算 |
決算 |
備考 |
活動費 |
600,000 |
569,311 |
封筒・ハガキ 66,685 会報等送料 240,480
会報印刷代 185,440 総会・交流会 35,686
図書カード 30,000 ホームページ 6,300
振り込み手数料 4,720 |
事務局費 |
350,000 |
337,020 |
事務局旅費・行動費 330,020 派遣団費 7,000 |
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分担金 |
90,000 |
89,350 |
日退教 64,350 日退教関ブロ 10,000
神奈川シニア連合 15,000 |
その他 |
150,000 |
128,000 |
高校生平和大使 100,000 日退教カンパ
10,000 日退教関ブロ参加費 18,000 |
予備費 |
8,200 |
229,993 |
次年度へ繰り越し |
合計 |
1,198,200 |
1,353,674 |
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監査報告
通帳および会計書類を監査した結果間違いありません |
2009.4.14 会計監査
藤見睦彦 山崎郁夫 |
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2011年度予算 |
収入 |
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項目 |
前年度決算 |
11年度 |
備考 |
前年度から繰り越し |
439,200 |
229,993 |
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入会金 |
552,000 |
930,000 |
186人@5,000 |
会員負担金(カンパ) |
193,000 |
200,000 |
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返戻金 |
29,360 |
10,000 |
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広告・事務経費 |
110,000 |
100,000 |
|
その他 |
30,114 |
30,000 |
利息等 |
合計 |
1,353,674 |
1,499,993 |
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支出 |
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項目 |
前年度決算 |
11年度 |
備考 |
活動費 |
569,311 |
700,000 |
封筒・ハガキ、 会報等送料、会報印刷代、
総会・交流会、図書カード、ホームページ、振
り込み手数料 |
事務局費 |
337,020 |
350,000 |
事務局旅費・行動費 |
分担金 |
89,350 |
90,000 |
日退教、日退教関ブロ、神奈川シニア連合 |
その他 |
128,000 |
130,000 |
高校生平和大使派遣補助等 |
予備費 |
229,993 |
229,993 |
合計 |
1,353,674 |
1,499,993 |
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第6回定期総会宣言
私たちは本日ここに第6回定期総会を開催し、これからの運動の方向を確立し、引き続き活動を展開することを確認しました。
2009年9月に誕生した民主党を中心とする鳩山政権が、普天間基地移転問題のつまづきや政治と金の問題で2010年6月に総辞職に追い込まれ、引き続き菅政権が誕生した。当初支持率が60%を超えたものの、辺野古移転問題、消費税導入発言などで7月の参院選で敗北を喫した。参院で過半数を割って「ねじれ国会」を現出させ国会運営を難しくしてしまった。9月に入り尖閣諸島事件で中国との外交問題や情報管理で課題を残し、北方四島でもロシアの強硬姿勢への対応に国民の不満を買うなど、内閣支持率は20%にまで落ち込むことになった。その影響は2011年4月の統一地方選にまで及んだ。
2011年3月11日に宮城県沖を中心とするM9の大地震が起こり、東日本沿岸各地を大津波が襲った。死者が15,000人を超え、避難住民が110,000人に及び、今でも行方不明のままの人たちが9,000人に昇っている。しかし、悲劇はそれだけで収まらなかった。東京電力福島第一原子力発電所の1号機から4号機でチェルノブイリ原発事故に匹敵するレベル7の大事故が発生し、空に陸にそして海に放射能を放出させた。絶対安全を言い続けてきた東電の権威が失墜し、クリーンエネルギーとして原発推進政策を掲げてきた政府に対する不信が表面化することになった。
この地震、津波、原発事故によって日本は非日常が日常となる事態に陥った。外交問題も国内のさまざまな政策課題も宙に浮いて、緊急避難対策、復興計画策定にとどまらず原発のいつ起こるとも知れない核分裂反応を封じ込める事故処理に追われることになった。海外からのさまざまな支援、国内のボランティアの活動や資金・物資の支援活動が被災地に寄せられたが、未だ地震や津波による被害の復興のめどが立たず、何よりも原発事故は現実の汚染被害ばかりでなく、人々の心に不安と恐怖を植えつけたままである。
私たちに関係の深い医療・介護・年金制度の改革や子ども手当や高校授業料無償化問題、教科書など教育内容や教員免許など教育制度の課題について、今後とも粘り強く運動を進める必要がある。しかし今回の非日常的事態にともなう課題を忘れてはならない。福島県の子どもたちが文科省の大人並みの被曝量の上限値で危険にさらされようとしている。5月に入って神奈川県内に身を寄せている被災者の子どもたちが、小学生494人、中学生155人、高校生80人、特別支援学校生3人いるという。果たしてシニア運動として、またひとりひとりの人間として、私たちは子どもたちの未来のために何ができるのか。脱原発を展望しつつ、新たな取り組みを模索し続けていくことを、ここに決意します。
2011年5月28日
神奈川県高等学校教職員組合シニア運動 第6回定期総会
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